DIC川村記念美術館で開催中の “スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
こちらは、日本神話に登場する神・スサノヲ (スサノオ、スサノオノミコト) をテーマにした展覧会です。
『古事記』 やスサノヲを描いた作品も、もちろん展示されていましたが。
それは、展覧会のほんの一部です。
スサノヲそのものをテーマにした展覧会というよりは、
古来よりスサノヲに抱かれてきたイメージをテーマにした展覧会といったところ。
日本全国を行脚した仏師・円空に、来訪神としてのスサノヲのイメージを重ねてみたり、
足尾鉱毒事件で有名な田中正造に、自然との共生や怒りというスサノヲ的な性質を重ねてみたり、
連想ゲームのように、スサノヲの持つ多様な性質が紹介されています。
正直なところ、僕自身はスサノヲに対して、
ほとんど何もイメージも抱いていなかったので。 (←日本神話に馴染みが無い)
「こじつけじゃないの??」
と思ってしまった展示品もないことはなかったですが。
日本神話に興味のある方には、
「確かに、これはスサノヲ的だ!」
と、すべて納得できる内容だったのかもしれません。
ただ、スサノヲ的であろうがなかろうが、
多種多様なジャンルの展示品が、一堂に集められているさまは、僕は純粋に面白いと思いました。
あまりにも展示品が多いため、企画展示室だけなく、
ほとんどの常設展示室も展覧会の会場になっていたのが何より印象的でした。
DIC川村記念美術館の常設展示室を侵食してしまったスサノヲ。
さすが荒ぶる神です。
さてさて、個人的に、今回の展覧会のハイライトだったのが、
最終章にあたる “スサノヲの予感” というコーナーでした。
縄文に通じる太古の息吹を感じさせ、神話や自然と直接に切り結び、
未だかつてない新たな尺度や方法により制作された現代作品 (原文ママ) が紹介されているコーナーです。
この展示空間は、濃厚も濃厚。
圧が強すぎて、酸欠状態になりそうでした。
どの作家も強烈な個性を放っているため、
あの岡本太郎の作品が、むしろ一番まともに見えてしまったほど (笑)
そんな展示空間の中で、ひときわ異彩を放っていたのが、佐々木誠さんの木彫作品です。
一度目にしたら忘れられない強烈なビジュアルをしています。
さらに、この作品の裏側に回ってみると、そこには思わず手を合わせて拝みたくなるような宮型が。
今まで全く見たことがないタイプの作品なのですが。
観た瞬間に、遠い昔からこの作品を知っていたような不思議な感覚を抱きました。
あるべくしてある形を、佐々木さんが木から取り出しただけなのではないか。
そんな風にすら思えてしまう、神聖さと畏怖を感じる作品でした。
また、岡田真宏さんによる絵画作品も印象的でした。
一見すると、普通 (?) の抽象画のように見えますが。
近づいて、よく観てみると、無数の色鉛筆の線が集まっていることがわかります。
実は、この作品は、ひたすら手による円運動を繰り返すことで制作された作品です。
絵画というよりも、膨大な色鉛筆の線の集積。
写真では伝わりにくいでしょうが、実物を目にした時、神が宿っているかのような印象を受けました。
色鉛筆の線を引き続けるということは、どこか修行に通じているのかもしれません。
他にも紹介したい作品は多々ありますが、キリがないので、この辺りで。
どの作品も、とにかくパワーに満ち溢れていました。
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スサノヲの到来―いのち、いかり、いのり
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