日本人は、桜が大好き。
それは、現代だけでなく、江戸時代も。
《江戸名所四季の眺 御殿山花見之図》 や、
《江戸八景 上野の晩鐘》 のように、
桜が描かれた浮世絵は、たくさん。
太田記念美術館では、
そんな桜の浮世絵ばかりが集まった浮世絵展 “さくらさくら ~春の訪れ” が開催されています。
ちなみに、会期終了は、3月25日。
今年の東京の桜の開花は、3月25日。
“さくらさくら ~春の訪れ” が終わるとともに、
東京の桜が咲き始めるだなんて、なんと風流なのでしょう!
さてさて、 『桜の描かれた浮世絵』 と一口に言っても、そのバリエーションは様々。
太田記念美術館でのお花見は、いろいろと目移りしてしまって、見飽きることがありません。
その中でも印象的だった 『桜』 をいくつかご紹介いたしましょう。
まずは、歌川国安の 《東都吉原全盛櫻図》
実物は、とても綺麗だったのですが、
画像では、それが上手く伝わりません。。。
というのも、桜の花の部分に、凝った刷り方がされており、
光の加減によって、桜の花びらの姿が浮かび上がる仕掛けになっているのです。
是非とも、手に取って、眺めてみたい一枚 (絶対手に取っちゃダメですが)
続いて、《冨士三十六景 武蔵小金井》
本来ならば、桜というよりも、メインは冨士の浮世絵。
冨士を描いた三十六景といえば、
葛飾北斎の “富嶽三十六景” が、パッと思いつきますが。
こちらは、歌川広重の “冨士三十六景”
う~ん、どちらがオリジナルで、どちらがパクリ (?) なのだろうか。
続いて、京都の桜を。
歌川広重 《京都名所之内 清水》
咲き誇る桜の表現が、実に見事で、
今回展示されていた浮世絵の中では、僕的No.1作品。
今度は、少し寂しい浮世絵を。
桜の名所・御殿山を描いた浮世絵なのですが・・・。
江戸の末期。
お台場を造成するために、御殿山の土が削り取られることに。
そのため、浮世絵の状態のような、土剥き出しの寂しい姿になってしまったそうです。
それに輪をかけるように、描かれている人の背中も寂しい。
世界的な (?) 浮世絵も展示されていました。
歌川広重の 《五十三次名所図會四十五 石薬師 義経さくら 範頼の祠》
この浮世絵を見て、 「あっ」 と来た方は、かなりの美術ツウ。
ないしは、ゴッホファン。
実は、この浮世絵は、ゴッホの 《タンギー爺さんの肖像》 に描かれている一枚。
(注: 《タンギー爺さんの肖像》 は展示されていません)
桜を描いた風景画が続いたので、ここらで、ちょっと変化球。
桜が描かれた着物を着た女性の浮世絵です。
渓斎英泉 《浮世姿美人合 ほうずきを持つ娘》
満開の桜ではなく、葉桜の意匠というのが、何とも粋。
もし、自分が女だったら、こんな着物を着てみたいです。
ラストは、画題がイマイチ不明な肉筆画 (笑)
勝川春章の 《桜下詠歌の図》 です。
・・・どういう状況??
美術ブログのランキングアップに、ご協力をお願いします
↧
さくらさくら ~春の訪れ
↧