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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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微笑みに込められた祈り 円空・木喰展

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日本各地を行脚し、多くの仏像・神像を残した仏僧・円空 (1632~1695年) と 木喰 (1718~1810年) 。
活躍した時代が違うので、特にコンビというわけではないものの。
なぜか2人セットにされることが多く、
これまでに何度か日本各地の美術館で、円空&木喰の展覧会が開催されているようです。
そんな円空&木喰の展覧会の初の首都圏ver.が、現在、横浜のそごう美術館で開催されています。
その名も、 “微笑みに込められた祈り 円空・木喰展”
会期は、3月22日まで。

こちらの展覧会のために、日本各地から円空&木喰仏が大集結!
新発見・初公開を含む円空&木喰仏が約250点ほど紹介されていました。

たくさんの円空&木喰仏が観られて、とても嬉しかったのですが。
本音を言えば、あまりにも量が多くて、何なら最後のほうは若干飽きてました (笑)
今回の出展数の6割くらいに絞っても十分満足できたと思います。
星星
作品が多くなかったら、星3つだったかも。
展示されている仏像自体は、良いものばかりでした。


ちなみに、もっと言えば、飽きてしまったのは、木喰の展示のほうでした。
円空と木喰の作品を比べてみると、造形としては圧倒的に木喰の作品のほうが上。

地蔵菩薩像  《地蔵菩薩像》


不動明王  《不動明王》


表情こそ素朴ではありますが。
実物を観てみると、細部にまで神経を張り巡らせて彫り上げていることがわかります。
また凝った造形の仏像が多く、そのオリジナリティ溢れるセンスに、何度もガツンと心を揺さぶられました。

子安観音菩薩坐像(立木仏)  《子安観音菩薩坐像(立木仏)》


・・・・・それだけに、点数が多かったのが、裏目に出ました。
ガツンと心を揺さぶられ過ぎて、グロッキー状態に。
最後のほうは、もはや精神がマヒしていました。


そんな木喰とは対照的に、同じくらいの点数の作品があったにも関わらず。
円空の展示のほうは、まったく疲れませんでした。
むしろあと3倍くらい円空の展示が続いても、疲れなかったことでしょう。
円空の仏像は、いい意味で、ガツンと来ません (笑)
これでもかというくらいに、心がほのぼのします。

普賢菩薩  《普賢菩薩》


不動三尊  《不動三尊》


今回の円空の彫刻の中で最も印象に残ったのが、
岐阜県の美江寺観音が所蔵する 《観音菩薩》 です。

観音



裾が長~~~~~~い。

ペッツかと思いました。



さてさて、展示数が多かったことも、さることながら。
展示空間が、いつものそごう美術館だったことも、少し気になりました。
ポスターもホームページもポストカードもすべて、円空と木喰の仏のバックは黒。
おそらく彫られた木の質感をもっとも際立たせる色が、黒だからでしょう。
それがわかっているのならば、黒を基調とした会場にしてくれたら良かったのに。
白 (ベージュ?) の壁紙に円空と木喰の仏像だと、ボヤッとした印象を受けました。

釈迦誕生物  《釈迦誕生仏》


特に円空の仏に関しては、黒を背景にしても、ボヤッとしているので (笑)




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