水戸芸術館で開催中の “山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ” に行ってきました。
《前に下がる 下を仰ぐ》 2014
紙に鉛筆、ペン、水彩、墨 36.6x 28.9cm ©YAMAGUCHI Akira,Courtesy Mizuma Art Gallery
こちらは、現代美術を代表する作家・山口晃さんの最新個展です。
最新個展だけに、もちろん2015年最新作も出展されていたのですが。
お忙しいからでしょうか。
その半分くらいが未完成でした (期間中に完成を目指すようです) 。
また、残りの半分くらいは、一応完成しているものの、
“「これくらい描いておけば、ファンは喜ぶでしょ」 と思っているのでは?”
と、意地悪な感情を抱いてしまうようなクオリティでした。
と言いますのも、高橋コレクションの 《九相圖》 や、
《九相圖》 2003
カンヴァスに油彩 73 x 244cm 高橋コレクション蔵 撮影:木奥恵三 © YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery
2012年のメゾンエルメスでの個展で発表された 《Tokio山水(東京圖 2012)》 といった・・・
《Tokio山水(東京圖 2012)》 2012
キャンバスに墨 四曲一双 各162x 342cm Work created with the support of Fondation d’entreprise Hermès
© Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès © YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery
過去の山口作品と比べてしまうと、描き込みに明らかな差が。。。
過去の作品があったことで、全体的には一定の満足度が得られる美術展になっていた気がします。
ちなみに、過去に発表された山口作品と言えば、
《Tokio山水(東京圖 2012)》 と同じくメゾンエルメスでの個展で発表された 《忘れじの電柱》 も出展されていました。
今回出展されているのは、水戸芸術館ver.とのこと。
そう言われても、どこかどう水戸芸術館ver.なのかは、よくわかりませんでした。
この展示室だけ写真撮影が可能だったのですが、
出来れば、電柱ではなく、他の写真が撮影したかったです (笑)
もちろん発表されていた新作すべてが、 「・・・・・う~ん。」 というわけではなく。
個人的には、 《紙ツイッター》 が面白いなぁと思いました。
こちらは、山口さんが市販のジャポニカ学習帳に手書きでツイッターを展開した作品です。
気軽に呟けるというツイッターの最大の利点が、 《紙ツイッター》 にはありません (笑)
呟く言葉も手書きなら、日付やアイコン、添付する画像 (実際には絵) も手書きです。
ちなみに、フォロワーは奥様一人。
芸が細かかったです。
ただ、それ以上に面白かったのは、
意外にも作品ではなく、展覧会場の動線の仕掛けでした。
「へ~、こうやって進むんだ!!」
と、驚くこと請け合い。
ちょっとしたアトラクション感を味わえました。
山口晃さんの現時点での集大成の展覧会というよりは、
山口晃さんの現状を報告する展覧会といった印象を受けました。
あくまで通過点 (通過展?) であった気がします。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
山口晃展 前に下がる 下を仰ぐ
↧