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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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石田尚志 渦まく光

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横浜美術館で開催中の “石田尚志 渦まく光” に行ってきました。
こちらは、国内外の美術展や映画祭で活躍するアーティスト・石田尚志さんの初となる大規模な個展です。

石田尚志 渦まく光  「石田尚志 渦まく光」展覧会ビジュアル(デザイン:古屋貴広)


石田尚志さんは、抽象的な線を少しずつ描き、
それをコマ単位で撮影することで、 “動く絵” を制作するアーティストです。
彼の映像作品には、特にストーリーはありません。
また、一部の作品を除いて、音楽もありません。
にもかかわらず、思わずボーっと見入ってしまう不思議な引力があるのです。

今回の個展に出展されているのは、 《光の落ちる場所》 をはじめとする新作3点に、

5.光の落ちる場所  2015年、ビデオ、(c)Takashi Ishida


過去20年間の代表作をくわえた約30作品。
それらが、まるでたうたうように展示室全体に展示されていました。
初期の作品から現在の作品まで、というように時系列に沿って紹介するのではなく、
テーマ性に関連がある作品同士を並べ、響きあうように紹介していたのが印象的です。

会場  会場
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


また、企画展示室だけでなく、エントランスや吹き抜けフロアにも石田尚志作品が。

会場  石田尚志


石田尚志さんの作品自体にも居心地の良さのようなものを感じましたが、
それと同じくらいに、今回の石田尚志展の会場に居心地の良さを感じました。
いつまでも浸っていたくなる空間です。
星星


今回改めて、まとまった点数の石田尚志作品を観て、強く思ったのは、
彼の作品は、面白いか面白くないかで言ったら、特に面白くはないということです。
と、これは、ディスっているのではなく。
面白い面白くないという ‘ものさし’ で測る作品ではなかったということです。
僕の中では、 “アート=エンターテインメント” なので、
美術展に行くのは、アミューズメントパークに行く感覚に近いのですが。
今回の石田尚志展に関しては、ちょっと違う気がしました。

では、何に近いかと言えば、マッサージとかリフレクソロジーに行った感覚に近かった気がします。
石田尚志展の観賞中に何かを得るというよりは、
石田尚志展を観た後に、心や精神の凝り (?) がほぐされていることに気づかされました
彼の映像作品をボーッと眺め続けたことで、
日々の生活の中で心に溜まった澱のようなものが、浄化されたのでしょう。

心に効く美術展です。




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