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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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没後100年小林清親展 文明開化の光と影をみつめて

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現在、太田記念美術館では、
「明治の広重」 と称された小林清親の没後100年を記念した展覧会が開催中ですが。
練馬区立美術館でも、小林清親の没後100年を記念した展覧会が開催されています。
“没後100年小林清親展 文明開化の光と影をみつめて” は、5月17日まで。

太田記念美術館のほうは、歌川広重と小林清親がW主役なのに対し
練馬区立美術館のほうは、小林清親が単独で主役を張っている展覧会です。
浮世絵師・小林清親の代表作の数々が紹介されているのはもちろん、

高輪牛町朧月景  《高輪牛町朧月景》


猫と提灯  《猫と提灯》


小林清親の肉筆画の数々や、

獅子図  《獅子図》


写生帖、新発見の資料なども紹介されていました。
太田記念美術館では、若干、清親が広重の影に隠れてしまっていたような印象を受けましたが。
練馬区立美術館の小林清親展を通じて初めて小林清親の全貌に触れられたような気がします。
小林清親の展覧会という観点で言えば、練馬区立美術館に軍配。
ただ、浮世絵の展覧会という観点で言えば、太田記念美術館に軍配でしょうか。
1勝1敗。
あ、でも、観覧料を比べたら、練馬区立美術館は500円と、太田記念美術館の半額!
2勝1敗です。
星星


“広重と清親展” を鑑賞したときにも、

「意外と、清親って人物の絵が上手くないんだなぁ (ボソッ)」

と思いましたが。
今回も、やっぱり思ってしまいました (笑)

特に、こちらの 《東京小梅曳舟夜図》 という作品。

東京小梅曳舟夜図


月夜に照らされた男性の顔が、何がどうなったのか、白いマスクのようになってしまっています。
その不気味さが、絵の抒情性を奪っているような気が。。。


と、人物はアレな小林清親ですが、やはり風景を描くセンスは光るものがありました。
特に個人的に印象に残ったのは、《梅若神社》 という一枚です。
雨の描写が、実に斬新。

梅若神社


他にも、センスがキラリと光る浮世絵作品が多々あります。
作品数がたくさんありますので、時間に余裕を持って行かれてみてください。


ちなみに。
練馬区立美術館に隣接した緑地が、練馬区立美術の森緑地として、4月4日に生まれ変わりました。

練馬区立美術の森緑地


緑地内には、ユニークな動物たちの彫刻作品が。

美術の森  美術の森


子どもたちが、楽しそうにはしゃいでいたのが印象的でした。
これから、練馬区立美術館はもっともっと面白くなりそうです。




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