パナソニック汐留ミュージアムで開催中の “ルオーとフォーヴの陶磁器” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
ルオーとフォーヴ (=フォーヴィズム/野獣派) と、タイトルにはありますが。
展覧会の主人公は、19世紀初頭に活躍した陶芸家アンドレ・メテ (1871~1920) なる人物でした。 (左はアンドレ・メテの肖像画です)
フランスの陶芸史には名を残しているそうですが、日本ではほぼほぼ無名なアンドレ・メテ。
それもそのはずで、日本でアンドレ・メテが紹介されるのは、今回が初めてのことなのだそうです。
全3章からなるこちらの展覧会。
その第1章では、アンドレ・メテの作品が多数紹介されています。
これらの作品は、もちろん日本初公開。
いや、それどころか、中には個人蔵の貴重なものもあり、なんと世界初公開の作品もあるのだとか。
実は、かなり気合の入った展覧会なのです。
さて、今回初めて目にしたアンドレ・メテの作品。
確かに、どれも独特な世界観を放っているのですが、不思議と初めて目にした感じがしませんでした。 アンドレ・メテ 《大皿 アダムとイヴ》
1909-20年 径29cm 施釉陶器 パリ市立プティ・パレ美術館 © Petit Palais / Roger-Viollet アンドレ・メテ 《蓋付丸形小箱 鳥と星座》
1918年頃 高さ5cm 最大径9cm 施釉陶器 ブロ・コレクション
どことなく九谷焼っぽくもあり、どことなくトルコっぽくもあり、
どことなくスペインっぽくもあり、どことなくさくらももこっぽくもあり。 アンドレ・メテ 《陶器下絵》
27.5×25.2cm グワッシュ、石墨/トレーシングペーパー 個人蔵、ムードン
いろんな要素が、絶妙にブレンドされているかのような印象を受けました。
実に、心地良いゴチャゴチャ感です。
続く第2章では、フォーヴ (野獣派) の画家たちが絵付けをし、
アンドレ・メテの工房が制作したコラボ (?) 陶磁器の数々が紹介されていました。
陶磁器だけでなく、フォーヴの画家たちの絵画も併せて展示されています。
これは、絵画ファンにも嬉しい配慮でした。
そして、第3章では、アンドレ・メテとも親交が深かったルオーの陶磁器が中心に紹介されています。
こちらの章でも、やはり絵画と併せて展示されていました。
ただ、ルオーの絵画はマチエールが陶磁器のようなので、
もはや、どれが陶磁器でどれが絵画なのか、わからなくなってしまいました (笑)
陶磁器ばかりの展覧会かと思いきや、そんなことはなく。
絵画ファンにも十分に楽しめる内容になっていました。
また、プロジェクションマッピング風の映像で、絵付けの流れを紹介してみたり、
アンドレ・メテの陶磁器作品に、あえて青い照明を当ててみたり、
細部にまで演出がこだわられていました。
野獣とは真逆の、とても好印象な展覧会です。
ちなみに、展覧会には好印象を持ちましたが、
ジャン・ピュイが絵付けした 《四人の女性半身像》 に関しては、
「ふざけてるなぁw」 という印象を持ちました。
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ルオーとフォーヴの陶磁器
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