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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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セザンヌ―近代絵画の父になるまで

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ポーラ美術館で開催中の “セザンヌ―近代絵画の父になるまで” に行ってきました。

セザンヌ


こちらは、ピカソやマティスなど20世紀の芸術家に大きな影響を与えたポール・セザンヌの画業を、
国内に収蔵されているセザンヌ作品と、セザンヌにゆかりの深い画家たちの作品を通じて紹介した美術展です。
もちろんポーラ美術館が収蔵する全9点のセザンヌコレクションも惜しげもなく展示されています。

砂糖壺  ポール・セザンヌ 《砂糖壺、梨とテーブルクロス》 
1893-1894年 ポーラ美術館蔵

4人  ポール・セザンヌ 《4人の水浴の女たち》
1877-1878年 ポーラ美術館蔵


美術界に残したその功績から、 「近代絵画の父」 と称されるセザンヌ。
今回の美術展では、セザンヌが “そして近代絵画の父になる” 過程が、実に丁寧に紹介されていました。

例えば、セザンヌは多視点で静物画を描いているのですが。
そもそも多視点とは、どういうことなのかを、オリジナルの映像コンテンツでわかりやすく解説していたり。

たしてん  えいぞう
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


お互いに影響を与え合ったというピサロの作品と並べて展示していたり。

ピサロ


さらには、会場作りも随所にこだわっていたり。

窓


特に圧巻だったのが、生前のセザンヌの初個展の会場を模した展示空間。
壁紙の印象が強すぎて、絵の印象が薄れてしまってはいましたが (笑)
演出としては、とても面白かったです。

初個展


・・・・・と、これだけ丁寧にセザンヌの画業を掘り下げてもらっておきながら、なんですが。
会場で目を奪われたのは、セザンヌよりもゴッホやモネの作品のほうでした。

ゴッホ


セザンヌの作品は、シブくて深みがあるのですが、
ゴッホやモネの作品と比べてしまうと、華やかさに欠けるといいましょうか。
玄人好みの画家という気がしました。
「近代絵画の父」 と呼ばれているほどの人物なのに、
日本人の好きな画家ランキングにランクインしないのは、そのあたりに原因があるのでしょう。

万人受けする美術展ではあったのですが、
万人受けしないセザンヌのせいで (?) 、2つ星です。
星星


とは言え、ポーラ美術館は常設展も充実しています。
館全体としてみれば、間違いなく3つ星です。
常設展で特にオススメなのが、 「美術をじっくり楽しむプロジェクト」 。
クロード・モネの 《バラ色のボート》 が展示されたスペース内を歩いてみると・・・

じっくり  モネ


水の音や葉擦れの音など、絵画から連想される自然音が聞こえてくるという仕掛けが施されています。
目と耳で楽しむ新しい鑑賞体験でした。
ヒーリング効果も抜群です。


~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “セザンヌ―近代絵画の父になるまで” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、4月29日。当選は発送をもって代えさせていただきます)





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