GW大本命の展覧会、東京国立博物館の “鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─” の内覧会に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
昨年、京都国立博物館で、 “国宝 鳥獣戯画と高山寺” を鑑賞しているので、
「だいたい同じような展覧会なんだろうなァ」
と思って、臨んだのですが。
全然、 “だいたい同じ” ではありませんでした。
僕と同じように、京都国立博物館で一度観たという方も、
安心して (?) 東京国立博物館での鳥獣戯画展をお楽しみくださいませ。
一番の違いは、東京国立博物館のほうが、
鳥獣戯画( 《鳥獣人物戯画》) に、より焦点を当てて紹介していたことです。
国宝 《鳥獣人物戯画 甲巻(部分)》
平安時代・12世紀 京都・高山寺 この場面は、後期 (5月19日~6月7日) に展示されます
《鳥獣人物戯画》 を全巻 (甲・乙・丙・丁) 展示しているのは、もちろんのこと。
現在確認されている 《鳥獣人物戯画》 の断簡全5点が集結。
(しかも、うち1点は、アメリカの個人が所蔵するもので、久しぶりの里帰り!)
さらには、なんだかんだでわからないことだらけの 《鳥獣人物戯画》 の謎に迫るべく、
《鳥獣人物戯画》 に描かれている虎とよく似た姿の虎が描かれた絵巻を紹介していたり、
高山寺には多くの白描図像が所蔵されているという事実を明らかにしてみせたり。
(僕のイチオシは写真右の 《阿弥陀鉤召図》!)
《鳥獣人物戯画》 の人気に頼りっきりではない、実に興味深い内容の展覧会となっていました。
GW大本命の展覧会は、アートテラー的にも大本命です。
ちなみに、混雑予想も大本命。
それを見越して、万全の体制が整えられていました。
展示室内も、美術館の外も。
皆様も、並ぶ体制を整えてから、足をお運びくださいませ。
さてさて、展覧会の主役は 《鳥獣人物戯画》 ですが。
他にも見逃せない作品が、まだあります。
その一つが、国宝の 《明恵上人像(樹上坐禅像)》 。
国宝 《明恵上人像(樹上坐禅像)》
鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺 前期(4/28~5/17)展示
画面左上に描かれた1匹のリスの素朴な可愛さが、
絵の主役である明恵上人を食ってしまっています。
「しかし、なんでリスが??」
と素朴な疑問を感じていたら、実は、元ネタ (?) となる絵があることが判明。
今回の展覧会では、そんな元ネタの絵も併せて展示されていました。
また、高山寺が所蔵するもう一つの国宝絵巻 《華厳宗祖師絵伝》 にも要注目。
国宝 《華厳宗祖師絵伝 義湘絵(部分)》
鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺 京都・高山寺 この場面は、前期 (4/28~5/17) に展示されます
広々としたスペースを使って、ダイナミックに展示されていました。
展示もさることながら、内容もダイナミックな 《華厳宗祖師絵伝》 。
描かれているのは、華厳宗の祖師である義湘と元暁の伝記です。
前期で展示されていたのは、義湘絵のほうでした。
ざっくりいうと、こんな内容です。
留学のため唐にやってきた義湘。
彼に恋心を抱いた長者の娘・善妙は、恋心を告白します。
しかし、義湘は、僧であることを理由に、やんわりと拒否。
さらには、善妙に仏の道を説きました。
それからしばらく後、留学を終えた義湘は帰国することに。
義湘のための仏具などを持って港に行く善妙。
だが、時すでに遅し。
義湘を乗せた船は出発してしまっていたのです。
(←変なポーズで、泣き叫ぶ善妙。。。)
と、変なポーズは一旦脇に置いといて、ここまでは、普通のほろ苦い恋物語。
が、この後、予想の斜め上をいく展開が待ち受けています。
波が次第に高くなっていくことに気付いた善妙。
「このままでは、義湘の乗った船が危ない!!」
と、次の瞬間、善妙は海にダイブ (←!) 。
そして、龍に変身 (←!!) 。
無事に、義湘の乗った船を荒波から護ったのだとさ。
めでたしめでたし・・・なのか。
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鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─
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