奈良国立博物館で開催中の “まぼろしの久能寺経に出会う 平安古経展” に行ってきました。
こちらは、平安時代に写経された経典をテーマにした展覧会で、
国宝13件重要文化財16件を含む貴重な古経が67件ほど展示されています。
写経と言えば、先々月は京都国立博物館にて、
奈良時代の写経をテーマにした “奈良朝写経” という企画展が開催されていましたっけ。
どうでもいいことなのかもしれないですが、
奈良博で “奈良朝写経” を、京博で “平安古経展” をやったほうが、しっくり来るような気がします。
さてさて、展覧会を観た率直な感想を。
「字ばっかりじゃねーか!」
大体予想はしていましたが、いい意味でも悪い意味でも予想を裏切ることなく、字ばっかりの展覧会でした。
展示されているものが古経ということで、字ばかりなのはともかくも。
一般の人は、古経に関する情報が、圧倒的に少ないので、
それを補完するために、どうしてもキャプションの字数もアップしていました。
結果、字を読んで、字を観る展覧会に。
最初の10分くらいで、バテました。
ということで、途中から、あえて字を読まないことに。
古経を字としてではなく、工芸品として鑑賞してみました。
すると、どうでしょう。
劇的に楽しく・・・とはなりませんでしたが、少しは楽しく感じられるようになりました。
ミーハーなのかもしれませんが、
やはり 「いいね!」 と目を惹くのは、国宝や重要文化財に指定されているものばかり。
浅草寺の 《法華経》 は、キラキラが眩しく、
京博が所蔵する 《法華経 観世音菩薩普門品》 は、見返しの絵が見事でした。
イチオシは何と言っても、国宝の 《金銀字一切経》 。
金泥、銀泥、金泥・・・と一行ごとに経文が書き分けられています。
とにかく眩い!
金も眩いですし、銀も眩い。
まるで字が浮かび上がってくるかのような印象を受けました。
そういう意味では、3D画像よりも3D画像です (←?)。
もう一つオススメなのが、国宝の 《一字蓮台法華経》 です。
なんと、経文の一字一字が、蓮の花の上に乗っています。
しかも、蓮は全五色。
めちゃめちゃポップな経文でした!
ちなみに。
今回の展覧会の目玉となるのが、これまで一般に公開されることが無かった個人蔵の 《久能寺経》 。
保存修理が完了したばかりということで、久しぶりに披露される運びとなったそうです。
保存修理ホヤホヤ、さらには、ライティングの力もあるのかもしれませんが。
今回展示されていた古経の中で、圧倒的に光り輝いてたのは、この 《久能寺経》 でした。
写経が豪華な装飾であるのは、それだけ仏様に救ってほしいということ。
もし、自分が審査員 (=仏様) だったとしたら、
間違いなく、この展覧会の中では、 《久能寺経》 をグランプリに選ぶでしょう。
皆様は、どの古経をグランプリに選びますか?
仏様目線で楽しむ展覧会です。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
まぼろしの久能寺経に出会う 平安古経展
↧