本日ご紹介するのは、そごう美術館で開催中の “エロール・ル・カインの魔術展” 。
略して、 “エロ展” です (←誰一人そんな略し方をしていません!)
そもそもエロール・ル・カインが、どんな人物かも知りませんでしたし。
イギリスの絵本作家と知ったところで、
“あぁ、よくある絵本作家の原画展でしょ( ´_ゝ`)”
くらいにしか思っていませんでした。
さらに付け加えるならば、 『「イメージの魔術師」 と呼ばれた絵本作家』 というキャッチコピーに関しても、
“いくらなんでも言い過ぎでしょ( ´_ゝ`)”
くらいにしか思っていませんでした。
しかし、展覧会を観た直後は、( ´_ゝ`)だった顔が、☆゚・*:。.:(゚∀゚)゚・*:..:☆に。
完全にエロール・ル・カインの世界の虜になってしまいました。
気持ちがここまで持って行かれるとは。
まさに、エロール・ル・カインの魔術!
2つ星です。
エロール・ル・カインの一番の魅力。
それは、何と言っても作風の引き出しの多さにあるでしょう。
これまで、このブログで何度か 「一人の作家の展覧会とは思えない」 というフレーズを使用してきましたが。
これからは、そのフレーズはエロール・ル・カインに匹敵する芸術家が現れた時にだけ使うことにします。
そう決意させられるほどに、エロール・ル・カインの作風の変幻自在ぶりは、群を抜いていました。
例えば、展覧会のポスターにも使われている 『キューピッドとプシュケー』 の一場面。
こちらは、なんとなくビアズリー風。
もしくは、なんとなく石ノ森章太郎風。
そういう作風の人なのかと思いきや、
『アラジンと魔法のランプ』 は純然たるオリエンタル風で、
『アーサー王の剣』 は、なんとなくティム・バートン風でした。
アーサー王の剣/ほるぷ出版
他にも、キャラクターグッズが売れそうな気配がプンプンする 『魔術師キャッツ』 に、
ほのぼのとしたタッチの 『こまったこまったサンタクロース』 などもあります。
頭では分かっているのですが、それでもやはり一人の作家の展覧会とは、到底思えませんでした。
エロール・ル・カインは人物名ではなく、ユニット名。
そう言われたほうが、しっくりくるくらいです (笑)
シンガポールに生まれ、インドで幼少期を過ごし、
15歳で単身ロンドンに渡ったというエロール・ル・カイン。
それゆえに、彼の作風は、オリエント的でもあり、西洋的でもあるのですが。
彼の作品にたびたび登場する装飾フレームは、日本の掛軸の表装のようにも感じられました。
三つのまほうのおくりもの (海外秀作絵本)/ほるぷ出版
いろんな国の良いとこどりをしたら、エロール・ル・カインが出来ました。
そんな印象を受けました。
ちなみに、僕のお気に入りは、 『クラブツリー村の危機』 という一冊です。
Crisis at Crabtree/Lutterworth Pr
新しい高速道路が通る計画が立ち上がり、
「立ち退きを迫られるのでは?」 と古い家たちが不安に覚えて騒ぎ出すというお話。
キャラクター化された古い家たちが、実に愛らしかったです。
ピクサーあたりが映画化してくれないでしょうか。
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エロール・ル・カインの魔術展
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