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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ

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全くのノーマークだった印刷博物館の “ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ 書物がひらくルネサンス”
開催されると聞いても、

「へぇ~・・・ふ~ん・・・」

くらいにしか思っていませんでした。

しかし、先日、電車に乗っている時に、
この展覧会のゴージャスな中づり広告 (文字が金ぴか!) を見かけ、ちょっと食指が動きました。
さらに、その数日後、この展覧会のゴージャスなチラシ (やっぱり文字が金ぴか!) を見かけ、

印刷


さらに食指が動きました。

「こんなにポスターやチラシの印刷にお金をかけている展覧会がつまらないわけがないっ!」

その直感は正しかったです。
思わず、 「おぉぉ・・・!!!」 と声にならない声を上げてしまうほどに、スゴい展覧会でした。
星星
ノーマークだった方、是非今すぐご検討を!


2002年に “ヴァチカン教皇庁図書館展 書物の誕生-写本から印刷へ” を開催して以来、
ヴァチカン教皇庁図書館と深い関係を築いてきた印刷博物館が、満を持して開催するのが今回の展覧会。
ヴァチカン教皇庁図書館が所蔵する中世の聖書や、

聖書


ユスティニアヌス帝の 『法学提要』 といった貴重な学術書が、

法学提要


実に計21点ほど展示されています。
そう聞いて、

「少なっ!」

と思った方もおられるでしょうが。
これはかなり例外的なことで、通常、ヴァチカン教皇庁図書館が貸し出しできる上限は3、4冊なのだそうです。
そんなヴァチカン教皇庁図書館が所蔵する貴重な書物の数々にくわえ、
国内の図書館や大学が所蔵するルネサンス時代の書物の数々も展示されていました。
『聖書』 に 『法学提要』 に、トマス・アクィナス の『神学大全』 に、
ヘロドトスの 『歴史』 に、ユークリッドの 『幾何学言論』 (注:展示は5/24まで) にエトセトラに。
展示会場に広がっていたのは、人類の叡智をギュギュっと凝縮したかのような光景です。
その圧倒的な光景に、 「おぉぉ・・・!!!」 と声にならない声を上げざるをえませんでした。

書物に書いてある文字は読めませんでしたが (笑) 、
それでも書物から漂ってくる強烈な ‘知’ のパワーは、ひしひしと感じられました。
観るだけで頭がよくなりそうです (←この発言はバカっぽい)


また、純粋に文字やレイアウトに美しさを感じられる書物も多くありました。
文字が読めなくても、十分に楽しめます。

アンジェロ・ポリツィアーノ訳『イリアス』  アンジェロ・ポリツィアーノ訳 『イリアス』

天文歴  レギオモンタンヌス 『天文暦』


ちなみに、ヴァチカン教皇庁図書館の歴史を映し出すプロジェクションマッピングコーナーもありました。
あのプロジェクションマッピングが、果たして本当に必要だったかどうかはさておきまして。
今回の展覧会にかける印刷博物館の本気度は伝わってきました。




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