金沢21世紀美術館のあとは、徒歩圏内にある石川県立美術館へ向かいました。
こちらでは、現在、 “加賀前田家 百万石の名宝” という特別展が開催中。
北陸新幹線金沢開業を記念した特別展で、
前田育徳会全面協力のもと、加賀百万石の礎を築いた前田家伝来の名品の数々が紹介されています。
展示数は、前後期合わせて約120点。
うち国宝は15件、重要文化財は35件です。
見どころは何と言っても、天下五剣の一つに数えられる 《太刀 銘光世作(名物大典太)》 と、
《刀 無銘正宗(名物太郎作正宗)》 と 《刀 無銘義弘(名物富田郷)》 と。
前田家伝来の国宝刀剣3振りが同時公開されています。
この3振りが揃って公開されるのは、実に約40年ぶりとのことです。
確かに、3振りが3振りともスター級の輝きを放っていました。
刀剣にそこまで興味がない自分でさえ、
そう感じられたのですから、刀剣好きの人は間違いなく興奮することでしょう。
刀剣以外にも、武具が紹介されていましたが。
特に、目を奪われたのが、前田利長が所用していた 《鯰尾兜》 です。
実は、金沢に寄る前に、高岡を訪れており、そこで前田利長の銅像を目にしていました。
「いやいやいや、さすがにこんなにアホみたいに長い兜はないでしょw」
と、その時は思ったのですが。
まさか数時間後に、石川県立美術館にて、そのアホみたいに長い兜の実物と遭遇するとは。
思わず、言葉を失いました。
サイドから強風が吹いたら、どうなってしまうのか。
トンネルのような場所を通過するときは、どうするのでしょうか。
いろいろと想像を掻き立てられる兜でした。
さらに、衝撃だった武具が、前田利家が所用していたという 《金小札白糸素懸威胴丸具足》 です。
加賀らしく (?) 全体に金箔が押されています。
激ゴージャス!
こんな派手な甲冑を着こなせるのは、郷ひろみか松平健くらいなものです。
武具以外にも、 《井戸茶碗 銘 福嶋》 をはじめ、
紙の美しさに定評のある国宝の 《万葉集巻第三・巻第六残巻(金沢万葉)》 など、
文化政策に力を入れた前田家ならではの美術工芸品の名品の数々が紹介されています。
とは言え、展示の半分くらいが貴重書なので、
美術が好きな人よりは歴史が好きな人向けの展覧会といった印象でした。
個人的には、先日の 『ブラタモリ』 で取り上げられていた 《百工比照》 を観れて、テンションが上がりました。
《百工比照》 とは、オタク気質の5代藩主綱紀が、蒔絵などの技法見本や、
小紋や織物、釘隠、木材などの工芸資料を全国規模でコレクションし、きちんと整理した一大標本集。
ありとあらゆる美術工芸品のサンプルが、そこにはありました。
まるで世界堂。
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加賀前田家 百万石の名宝
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