現在、太田記念美術館では・・・
“江戸の悪” という展覧中。
タイトルずばり、悪人が描かれた浮世絵を紹介する展覧会です。
「いやいや、そんなに悪人が描かれた浮世絵なんて無いでしょ!」
と思いきや、悪人が描かれた浮世絵の意外と多いこと。
会場には、これでもかというくらいに悪~い人が勢揃いしていました。
そして、さらに意外なことに、いつもよりもお客さんの数の多いこと。
(もちろん、悪そうなお客さんはいなかったですw)
いつの時代も、悪は人を惹き付けてやまないようです。
さてさて、一口に、悪~い人と言っても、タイプはさまざま。
鼠小僧や石川五右衛門のようなポピュラーな悪~い人もいましたが、
安達吟光 《講談一席読切 松林亭白圓 鼠小僧次郎吉 尾上菊五郎》
マイナーな悪~い人 (←?) も大勢いました。
個人的には、マイナーな悪人のほうに興味津々。
「こんな事件があったんだ!」 と、江戸時代版の 『実話ナックルズ』 を読んでる感じで興味深かったです。
例えば、佐野次郎左衛門なる人物。
歌川幾芳《英名二十八衆句 佐野次郎左衛門》
下野国佐野の農民だった彼は、吉原の遊女・八橋に恋心を抱き、熱心に通っていたようです。
しかし、ある日、八橋に愛想を尽かされます。
それに逆上し、八橋を刀で惨殺。
さらに、吉原にいた大勢の人物も斬り殺してしまったのだとか。
現代でも、無差別殺人事件はありますし、
事件が起こるたびに、 「物騒な時代になった」 と報道されていますが。
江戸時代から、この手の事件は起きていたのですね。
続いて、女盗賊・鬼神のお松。
月岡芳年 《新撰東錦絵 鬼神於松四郎三郎を害す図》
親切な旅の武士・四郎三郎は、女盗賊ともつゆ知らず、お松を背負って川を渡ろうとします。
しかし、当のお松は、短剣を背後で振りかざし、四郎三郎に切りかかろうとするのであった!
♪テケテケ テケテケ テ~レ~
飛び立つ2羽の鳥が、より火サス感を増しています。
・・・ディープな悪人が続いたので、少しだけライトな悪人 (?) を。
三代歌川豊国 《東都贔屓競 二 清玄 桜姫》
こちらの浮世絵に描かれている清玄は、清水寺の僧。
高貴な桜姫に恋心を抱き、ストーカーとなってしまったのだとか。
そのしつこさゆえ、桜姫の下僕に殺害されてしまうのですが、幽霊になってもつきまとったとのこと。
筋金入りのストーカーです。
ちなみに。
今回の展覧会で紹介されている悪人には、
担当学芸員さんの独断と偏見で、5段階評価で悪人度が設定されています。
例えば、展覧会のポスターに使われている悪人・福岡貢。
遊郭の人を次々と惨殺し、最後には自殺した彼の悪人度は、なんとたった星2つでした!
一方、あの鼠小僧は星5つ!
どういう基準なのでしょう。
独断と偏見にもほどがあります (笑)
この悪人度の不公平感が、一番の悪だったような気がします (笑)
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江戸の悪
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