現在、三井記念美術館では、特別展として、
“錦絵誕生250年 フィラデルフィア美術館浮世絵名品展 春信一番!写楽二番!” が開催中。
こちらは、フィラデルフィア美術館が所蔵する4000点以上の浮世絵コレクションから、
珠玉の名品150点を厳選し、それらをまとめた形で紹介する日本で初めての展覧会です。
「春信一番!写楽二番!」 というタイトルを聞いて、
某カステラ屋さんのCMを連想してしまったのは、きっと僕だけではないはず (笑)
しかし、そんなキャッチーなタイトルとは裏腹に、
浮世絵の展覧会としては、いい意味で、いたってオーソドックスなものでした。
浮世絵=江戸庶民の娯楽。
ここ最近、エンターテイメント性の高い浮世絵展が増えている気がしますが。
今回の展覧会は、浮世絵のエンターテインメント性よりも、浮世絵の芸術性に重きが置かれていました。
鈴木春信 《やつし芦葉達磨》 や、
明和2-4年(1765-67)頃 フィラデルフィア美術館蔵
Philadelphia Museum of Art Gift of Mrs. Emile Geyelin in memory of Anne Hampton Barnes, 1960
(展示期間:全期間)
初代喜多川歌麿の 《歌撰恋之部 稀ニ逢恋》 を筆頭に、
寛政5-6年(1793-94)頃 フィラデルフィア美術館蔵
Philadelphia Museum of Art The Samuel S. White 3rd and Vera White Collection, 1958
(展示期間:6月20日~ 7月20日)
極上の保存状態の浮世絵の数々が、演出を最小限に抑えて展示されています。
それゆえに、その色と摺りの美しさをシンプルに味わえる。
純度の高い浮世絵展といった印象を受けました。
邦画に例えるならば (←?) 、
『踊る大捜査線 THE MOVIE』 や 『ALWAYS 三丁目の夕日』 のような作品ではなく、
カンヌ国際映画祭で評価される 『そして父になる』 のようなテイストの作品が多くを占める浮世絵展です。
とは言え、東洲斎写楽の 《三代目大谷鬼次の江戸兵衛》 をはじめ、
寛政6年(1794)フィラデルフィア美術館蔵
Philadelphia Museum of Art The Samuel S. White 3rd and Vera White Collection, 1956
(展示期間:全期間)
北斎や広重などのお馴染みの浮世絵作品も少なからず展示されていますし。
思わずクスッと笑ってしまう歌川国芳の作品も展示されていました。
《かごのとりすゞめいろどき》
弘化2-3年(1845-46)頃 フィラデルフィア美術館蔵
Philadelphia Museum of Art Gift of Mrs. John D. Rockefeller, Jr., 1946
(展示期間:6月20日~7月20日)
まったくエンターテイメント性がないというわけではないので、
娯楽的な浮世絵が好きな方にも、楽しめる内容になっていたと思います。
個人的には、珍しい上方の浮世絵を紹介するコーナーが印象に残りました。
《初代尾上新七の一色結城守》 流光斎如圭
寛政5年(1793) フィラデルフィア美術館蔵 Philadelphia Museum of Art Purchased with the Ben Shahn Poster Account, 1970
(展示期間:6 月20日~ 7月20日)
お世辞にも、巧いとは感じませんでしたが、
その素朴な味わいは、ローカルCMを見ているようで楽しかったです (笑)
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フィラデルフィア美術館浮世絵名品展 春信一番!写楽二番!
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