皆様、今月号の 『芸術新潮』 は、もうお手に取って頂けましたか?
芸術新潮 2015年 07 月号 [雑誌]/新潮社
5月号から始まった連載 「マンガ展評 ちくちく美術部」 も、いよいよ3回目。
ようやく自分なりにペースを掴めてきました。
・・・・・あ、いや、自分の連載の話は、どうでもよく。
今月号では、 “とてつもない絵師” として河鍋暁斎が大々的に特集されています。
実は、『芸術新潮』 の最大のライバル誌 (?) である 『美術手帖』 でも・・・
美術手帖 2015年 07月号/美術出版社
今月号では、大々的に河鍋暁斎の特集が組まれています。
そんな美術業界内で今もっともホットな男・河鍋暁斎の展覧会が、三菱一号館美術館にて始まりました。
その名も、 “画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル” 。
前期は8月2日まで、後期は9月6日までとなっています。
河鍋暁斎にスポットを当てた展覧会は、これまでにも各館で開催されていますが。
今回の展覧会では、河鍋暁斎はもちろんのこと、
彼に弟子入りした建築家ジョサイア・コンドルの業績や、
暁斎との師弟愛にもスポットが当てられているのが最大のポイントです。
ちなみに、三菱一号館美術館の元となる三菱一号館を設計したのも、ジョサイア・コンドル。
暁斎&コンドルの2人展を開催するに、ここほど相応しい美術館はありません。
今回の展覧会を鑑賞して、まず何よりも驚いたのが、
予想以上にジョサイア・コンドルの描く日本画が巧かったこと。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
師匠の暁斎より、『暁英』 の号を与えられたというエピソードは聞き知っていましたが。
ここまでのレベルだったとは!
いやはや、とてもイギリス人が描いた絵とは思えません。
そして、もう一つ驚いたのが、予想以上に暁斎とコンドルの師弟愛が深かったこと。
暁斎がガンで亡くなる際に、コンドルは枕元で看取っていたのだそうです。
家族並みの関係だったのですね。
前期には、そんな二人の師弟愛を伺わせる作品 《大和美人図屏風》 も出展されています。
河鍋暁斎 《大和美人図屏風》
明治17-18(1884-85)年 京都国立博物館寄託 ※前期のみ展示
実は、こちらはコンドルの旧蔵品。
暁斎がコンドルのために “およそ6ヶ月もの間精力を集中して描き上げた” 作品なのだとか。
弟子への愛が強すぎます (笑)
と、暁斎とコンドルの2人の関係性がいろいろと垣間見れる展覧会ではありますが。
やはり、展覧会の中心は暁斎の作品。
河鍋暁斎 《鳥獣戯画 猫又と狸》 画稿 明治期 河鍋暁斎記念美術館蔵
サイケでパンクな、いわゆる暁斎らしい作品から、狩野派の直系としての正統派な作品まで。
さまざまなジャンルの暁斎作品を会場では目にすることが出来ます。
さらには、およそ120年ぶりの里帰りとなるメトロポリタン美術館所蔵の貴重な暁斎作品や、
河鍋暁斎 《うずくまる猿》
明治21(1888)年頃 メトロポリタン美術館蔵 ©Metropolitan Museum of Art
お子様には見せられない暁斎の春画作品も紹介されていました。
お腹いっぱい胸いっぱいになることこの上なしの展覧会です。
2つ星!
ちなみに。
お土産コーナーにて、酒好きの暁斎にちなんだ暁斎カップ酒なるものを発見!
この発想はありそうでなかったので、つい購入してしまいました。
ちなみにちなみに。
ミュージアムショップを抜けると、そこには、こんな記念撮影スポットが!
コンドルがマクドナルドのドナルドみたいなことになっています (笑)
┃会期:2015年6月27日(土)~9月6日(日)
┃会場:三菱一号館美術館
┃http://mimt.jp/kyosai/
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画鬼・暁斎―KYOSAI
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