Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

うらめしや~ 冥途のみやげ展

$
0
0

先日のことなんですがね~。
東京藝術大学大学美術館で展覧会が開催されているっていうんで、行ってみたんです。
なにげなく展示室に向かってみると、
あれっ、なんか変だな~、いつもより暗いな~って感じがするんですよね。

うらめしや
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


開催されていたのは、“うらめしや~ 冥途のみやげ展” という展覧会。
日本美術史における 「うらみ」 の表現をたどる展覧会なんだそうです。
やだな~、怖いな~と思ったんですけどね。
展覧会の記事を書かないといけませんので、勇気を振り絞って会場に入ってみたんです。

会場に入るとまずは、なんか変だなァ、って違和感を覚える狭い展示空間があったんですね。

狭い


ここには、怪談話を得意とした明治の落語家・三遊亭圓朝の関連資料が展示されていたんです。
それらを横目で観ながら、トコトコトコトコと歩いていくと、いきなり目の前に広~い空間が現れたんですね。
その壁一面に、圓朝がコレクションしたという幽霊画が、ビッシリと並んでいるんですよ。

壁  壁


しかも、普通、美術館にはあるはずのない蚊帳が、
なんと、展示空間の中央に吊り下げられているんですね。

蚊帳


怖いな~、雰囲気あるな~。
そう思って、耳を澄ますと、どこからともなくファ~って風の音が聞こえてくるんですよ。 (注:そういう演出です)
背筋がゾクーっとしましたね。
それから、スタスタスタと次の展示室に歩いて向かったわけですよ。
すると・・・

脳


能面がこっちをじっと見てるんです。
やだな~、怖いな~、目力あるな~、
でも、カラーリングがなんか変だな~、なんて思いながら、その能面の脇を抜けますとね。
今度は、歌川国芳の 《浅倉当吾亡霊》をはじめとする・・・

国芳  嘉永4年(1851)大判錦絵 7/22-8/16(前期)展示


幽霊が描かれた浮世絵がたくさん展示されていたんですよ。

浮世絵


バリエーションあるな~、江戸の人も怪談が好きだったんだな~。
浮世絵だったもんで、少し怖さが和らぎましてね。
もうここからは、怖い作品は無いんだろうと、安心しきってしまったんです。
そしたら、出たんですよ。
最後の章で、日本美術に描かれた幽霊がたくさん。

幽霊  幽霊


やだな~、怖いな~、
河鍋暁斎だな~、曽我蕭白だな~、意外と有名どころが描いているなぁ~。
ちなみに、この時は出ていませんでしたけどね。
9月になったら、出るそうです。
日本を代表する女性画家・・・仮に、この方をUさんとしておきましょうか。その代表作である 《焔》 が。

上村松園《焔》  上村松園 《焔》 大正7年(1918)
絹本着色 東京国立博物館 Image:TNM Image Archives 9/1~9/13展示



というわけで。
暑い夏にピッタリの涼しくなる展覧会でした。
星星




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles