~前回までのあらすじ~
「この一件は絶対無二の一件なり!」
そんな熱い気持ちで、日本全国にある1095件の国宝をハンティングし続ける国宝ハンター・とに~。
炎天下の中、京都と奈良を自転車に乗って国宝をハンティング。
しかし、熱い気持ちで本気で国宝をハンティングしていたら、
暑さに気づかず、強烈な日差しのせいで、軽いやけどをおってしまったのであった・・・。
法起寺から長谷寺へ。
Googleマップで調べると、約25㎞と判明。
まぁ、それくらい行けるでしょう、と軽い気持ちで、長谷寺へ向かいました。
・・・・・・・が。
45分くらい走ったところで、我に返りました。
これは、絶対に引き返すべきだ、と。
暑さのせいでやられていたのは、どうやら皮膚だけではなかったようです。
脳もやられていました。
冷静に考えたら、往復で50㎞以上ということになります。
最悪、奈良国立博物館に間に合わない可能性もあるわけです。
そこで、ここで勇気ある撤退。
引き返して、奈良国立博物館を目指すことにしました。
ちなみに、位置関係は以下の通り。
地図にしてみると、いかに長谷寺に向かうのが無謀だったかがわかります。
長谷寺に向かおうとしたため生じたタイムロスは、1時間強。
当初の予定より遅れて、奈良国立博物館に到着です。
こちらでは、現在、開館120周年を記念して、
“白鳳 ―花開く仏教美術―” が開催されています。
日本全国から白鳳美術が大集結。
もちろん、国宝や重要文化財の数々も集結しています。
国宝ハンター的には重要文化財は、どうでもいいので (←?!) 、国宝に専念。
16件も出展されていますが、そのうちのほとんどが、すでにハンティング済の国宝です。
初見だったのは、《銅製船氏王後墓誌》(ジャンル:考古資料) や、
《上宮聖徳法王帝説》(ジャンル:書跡・典籍) を含む4件。
《上宮聖徳法王帝説》 は、厩戸皇子の伝記の1つで、現存する聖徳太子伝記としては最古のものなのですが。
今回の展覧会では、その紙の裏に書かれていた山田寺についての記述が展示のメイン。
よって、裏返しの状態で展示されていました。
(昔は紙が貴重品だったので、裏側も有効に使われていました。主婦がチラシの裏側をメモ帳代わりに使うようなもの?)
また、会場では、以前、薬師寺を訪れた際に、
入れ違いで石川に出張していた 《銅造観音菩薩立像(東院堂安置)》(ジャンル:彫刻) と邂逅。
さらに、絶賛解体修理中だった 《薬師寺東塔》(ジャンル:建造物) の一部とも邂逅しました。
展覧会を鑑賞し終えた時点で、時刻は15時30分。
ここからは、いよいよ最終目的地である円成寺を目指します。
奈良国立博物館から約14㎞。
1時間半もあれば、十分に到着するのではないでしょうか。
しかも、今回は電動アシスト車という強い武器があります。
上り坂でもなんでも敵ではありません!
・・・・・・・が。
進めども進めども、上り坂。
延々と上り坂が続きます。
その間に、バッテリーが1つ減り、2つ減り、ついには空に・・・。
500円でレンタル出来る電動アシスト車を過大評価しすぎていました。
まさか、こんなにもバッテリーがもたないとは (泣)
アシストしない電動機は、ただの付加です。
それでも、諦めずに漕ぎ続けてみたのですが、
16時半になったところで断念を余儀なくされました。
Googleマップで現在位置を確認したところ、円成寺はまだはるか先にあることが判明したのです。
普段は、あまり感情を表に出さない人間なのですが。
今回のリタイアに関しては、あまりに自分が不甲斐なくて、悔しさから大声をあげてしまいました。
(誰も通らないような道なので、通報はされなかったです。)
今でも悔しいです。
長谷寺に向かわなければ、あと1時間はチャレンジ出来たと思うと、余計に悔しいです。
次回こそは、絶対に円城寺に辿り着いてみせます。
ちなみに、偶然ですが、円成寺の山号は、忍辱山というそうです。
辱しめを耐え忍ぶ。
まさに、今回の僕の状況ではないですか!
余談ですが、円成寺行きは諦めたものの。
電動アシスト車を返すのだけは、諦めるわけにはいきません (←当たり前!)。
バッテリー切れと悔しさで重くなった足取りで、22㎞の道のりを走破しました。
返すまでがレンタサイクルです。
今現在の国宝ハンティング数 767/1095
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第百五話 国宝ハンター、悔しがる!
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