そごう美術館で開催中の “浮世絵師 歌川国芳展”に行ってきました。
伊藤若冲と双璧をなす美術展のキラーコンテンツ・歌川国芳 (1797~1861) の大規模な回顧展です。
歌川国芳を取り上げた展覧会は、ここ数年、何度も開催されていますので、
「へぇ~、またやるんだ・・・」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ぶっちゃけ、僕自身はそう思っていたのですが、
実際訪れてみれば、やっぱり面白く、なんだかんだで見入ってしまいました。
さすが、キラーコンテンツ。
さて、今回の歌川国芳展で特筆すべきは、その出展数。
なんと、200点にも及びます。
一部の作品は前後期で入れ替えなので、一度に200点全部が見られるわけではありませんが。
それでも、約170点ほどが展示されています。
かなりボリューミー。
この量で入館料が1000円なので、かなりコスパが良いです。
ただ、若干ボリュームに頼っていた感が否めないので、2ツ星。
もう少し展示に工夫が合っても良かったような。
歌川国芳の展覧会は、過去に何度も訪れているのですが。
やはり、これだけ出展数が多いと未見の作品も多く、改めて国芳の才能に舌を巻きました。
(もしかしたら、以前に目にしたことがあるのに忘れているだけかもしれませんが) その一部を紹介いたしましょう。
まずは 《大物之浦平家の亡霊》 という作品。
源義経軍団vs壇ノ浦にに沈んだ平家の亡霊たち。
亡霊をシルエットで表現するセンスに脱帽です。
作品が目に飛び込んできた瞬間に、脳内でこのBGMが流れました↓
こちらの 《大江山酒呑童子》 も、映画的な表現が使われた作品です。
人間の姿から酒呑童子の姿へと変化していく様子が描かれています。
映画だったら、ここでCGが使われているはずです。
迫力ある武者絵や戦闘シーンを描いた浮世絵も多く紹介されていましたが。
もちろん、《みかけハこハゐがとんだいゝ人だ》 をはじめとする・・・
ユーモアたっぷりの作品も紹介されていました。
その中でも、個人的に気に入ったのが、《年が寄っても若い人だ》 です。
目はネズミ。眉は、トラのしっぽ。耳はウマ。
・・・と、十二支で男の人が構成されています。
イヌとヒツジを見つけるのは、ちょっと難しいかもしれません。
また、この手の合体系 (?) では、《開運出世合体七福神》 もお気に入りです。
七福神と言いながら、パッと見、大黒様しか描かれていないような気がします。
しかし、よ~く見ると、この大黒様は、
大黒様以外の七福神 (六福神?) が合わさっているのが、わかります。
『欽ちゃんの仮装大賞』 ならば、優勝が狙えるのではないでしょうか。
他にも、いろいろと面白い作品はありましたが、
展覧会のポスターにも使われている 《朝比奈小人嶋遊》 は、やはりインパクトがありました。
大男がこびとたちに向かって、「安心してください、穿いてますよ」 というような作品かと思いきや。
浅草寺観世観音開帳のイベントの目玉として制作されたという朝比奈大人形を描いた作品なのだそうです。
が、いくら大人形とは言え、国芳は必要以上に大きく描いてしまっています (実際の朝比奈大人形は約20m) 。
その結果、この浮世絵は、大名行列を見下ろす不謹慎な作品として、すぐに販売が中止されてしまったそうな。
ちなみに。
横浜のそごう美術館での歌川国芳展だけあって、
一番ラストに展示されていたのは、《横浜本町之図》 でした。
今の横浜と見比べてみるのも、一興です。
さてさて、見比べると言えば・・・。
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浮世絵師 歌川国芳展
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