こちらの何だかショッキングなポスターが、
一目見たときから、もう気になって気になって・・・。
DIC川村記念美術館に、足を運んでまいりました。
“抽象と形態:何処までも顕れないもの” は、4月15日まで。
こちらは、7人の現代作家たちの最新作を、
DIC川村記念美術館が所蔵するモネ、ピカソ、ブラックといった巨匠たちの作品と対比させるように展示することで、
「対象の本質を如何に顕すのか」 という美術のテーマを掘り下げる美術展。
・・・ん?何を言いたいのか、よくわからないですか??
大丈夫です。僕も、よくわかっていません (笑)
美術展の趣旨が、よくわかっていない上に、
会場には、困ったことに (?) 、キャプションが全くありません。
どうやら、自力で、この美術展を乗り切るしかないようです。
(よく知らない国に、ガイドブックなしで来てしまった感覚ですw)
まず会場の最初で出会ったたのは、
ポスターに使われている五木田智央さんの 《Scorn》 という作品。
実際、絵を前にしてみると、
ポスターで受けた印象ほど、気味が悪くありませんでした。
というか、むしろ、この作品、結構好きかもです。
目を背けたくなるどころか、いつまでも見ていたくなる中毒性がありました。
あまりに、この絵を長く見ていたので、
段々と描かれている女性が、ライス国務長官に見えてきました (笑)
他にも、五木田智央さんの作品は、多数展示されていましたが、
どの作品にも、独特なウエット感 (ヌメッと感?) があって、印象的でした。
こんなにも、触感的な絵画作品には、初めて出合った気がします。
ちなみに、五木田智央さんの作品と対比して展示してあったのは、
ピカソが19歳の女性をモデルにした 《シルヴェット》 という一枚。
どちらも、モノクロの女性像なのに、その作風は全く違いました。
対比してみることで、面白い発見があるものです。
他にも、会場では、いろんな対比が。
モネの 《睡蓮》 と対比されていたのは、野沢二郎さん。
《After Rain /記憶》
“After Rain” とタイトルにはあるので、
雨上がりの水たまりを描いた作品ではないでしょうか。
同じ水面を描いた作品ながら、
《睡蓮》 からは日差しを、 《After Rain /記憶》 からは曇天模様を想像してしまうので不思議なものです。
フランシス真悟さんは、黒一色の正方形を描く抽象画家アド・ラインハートと対比。
アド・ラインハートの世界は、閉じられている印象なのに対し、
フランシス真悟さんの世界は、これから何かが始まるという印象。
光が差し始めているイメージだからでしょうか。
ちなみに。
フランシス真悟さんの作品は、実の父であるサム・フランシスさんとも対比されていました。
親子の共演は、実は、今回が初めてとのこと。
きっと気恥かしかったに違いありません (笑)
対比どうこうに関係なく、
今回紹介されていた絵の中で、ある意味で一番気になったのが、こちらの絵。
赤塚祐二さんの 《赤い絵》 です。
画像やパソコンの調子が悪いわけでもなく、
実物の絵も、この画像の状態と、そう大差はありません。
全然、赤くない・・・。
抽象画は難しい。
それに輪をかけて、キャプションによるガイドがありません。
そんな荒療治 (?) が、かえって功を制したのか、
何となく、抽象画の表現せんとすることを、自力で感じ取れる力が芽生えました。
人間、追い込まれれば、何とか出来るものです (笑)
ポケ~っと眺める美術観賞もイイですが、
たまには、頭を回転させながらの美術観賞もイイものですね。
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