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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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6杯目 これが、マグリット丼だ!

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俺は、今、モーレツに腹が立っている!
美術展の期間に合わせてレストランが提供する限定メニューってあるだろ?
あれは、何で、フレンチだとか、スイーツだとか、
女が喜ぶメニューばっかりなんだ?!
漢 [おとこ] が、そんなこじゃれたものを、食ってられるか!
漢なら、ガッツリと丼が食いたいんだ。
展覧会の期間に合わせて、アートな丼を誰か作ってくれ!
何、作らないだと?
なら、俺が作るしかないじゃないかっ!
そう。これが、漢のアート丼だ!



なぜか隠れファンの多い、この漢のアート丼企画。
今回は、京都市美術館で “マグリット展” が開催されていることにちなんで、マグリット丼を作ります。

・・・・・と、その前に。
毎回記事の最後で、

皆様からの “つくれぽ” もお待ちしています (笑)

と結んでいるのに、一度も “つくれぽ” が送られてきたためしがありません。
隠れファンが多いにも関わらず!

きっと僕が紹介するレシピが面倒なのでしょう。
反省です。

そこで、マグリット丼を紹介する前に、
とっても簡単に作れるデュシャン丼をご紹介いたしましょう。

マルセル・デュシャンと言えば、「20世紀で最も影響力のあった作品」 に選ばれた 《泉》 で知られています。

泉


市販の小便器を買ってきて、横向きに置き、サインを入れただけの作品に思えますが。
この作品をきっかけに、現代に繋がるコンセプトとしての芸術が生まれました。
言うなれば、現代アートの記念碑的作品といったところです。

それから着想を得たのが、デュシャン丼。
まず用意するのは、吉野屋で買ってきた牛丼です。

牛同


吉野屋でなくても、松屋やすき家の牛丼でも構いません。
なんなら、牛丼でなくても構いません。

それを丼に移し替えます。

丼


普通に移し替えたら、ただの手抜き料理なので、横向きになるように移し替えます。

牛丼


そして、 “自分の料理だ” ということをアピールするために、

牛丼


ケチャップでサインをすれば完成です。 (ケチャップでなくてもマヨネーズなどでも可)
とっても簡単ですね。
味は想像の通り、吉野家の牛丼にケチャップが足された味です。
それ以下でも、それ以上でもありません。


さて、手軽に作れるデュシャン丼を紹介したところで、いよいよマグリット丼を作ります。
今回のメイン食材は、マグリットの作品に度々登場するアレとアレです。

マグリット:人の子 マグネット/MoMA STORE


マグリットの はてな? (おはなし名画をよむまえに・シリーズ)/博雅堂出版



そう、リンゴと鳥 (鶏肉) です。

リンゴ


まずは、それぞれを一口大に切りましょう。
先にリンゴを炒めます。

リンゴ


イイ感じに火が通ったら、鶏肉を投入。
マグリットが得意とするデペイズマンが、まさにフライパンの中で実現されています。
(デペイズマン・・・意外な組み合わせをおこなうことによって、受け手を驚かせ、途方にくれさせるシュルレアリスムの手法の1つ)

鳥


塩と胡椒を振り、蓋をして蒸し焼きにします。
3分ほど蒸し焼きにしたら、鶏肉をひっくり返して、さらに3分蒸し焼きしましょう。
余分な水分は、キッチンペーパーで吸い取り、醤油とみりんを大さじ1杯ずつ回し入れます。

フライパン


さて、リンゴと鳥と同じくらいに、
マグリットがモチーフとして多用するのが葉っぱ。

葉っぱ  《空気の平原》 のつもり
(注:マグリットは著作権が厳しいので、自身のイラストでイメージを伝えています)


そこで、マグリット丼にも葉っぱをプラス。

シソ


細かく刻んだものをフライパンに投入しましょう。

シソ


さぁ、あとはご飯に乗せれば完成です。

丼


では、実食。

リンゴの丼というのが、一体どんなものなのか?
恐る恐る口へ運びます。

「ん~・・・ん♪ん・・・ん~?」

ミスマッチかなと思いきや、意外とリンゴと鶏肉が合っていました。
そして、シソがいいアクセントに。
と思ったら、リンゴとご飯が、イマイチ合いません。
全体的にシュールな味でした。

ためしに、ご飯を抜いて、リンゴと鶏肉だけで食べてみました。

「美味い♪」


・・・・・でも。

Ceci n'est pas une donburi. (これは丼ではない)


余談ですが。
今回、マグリット丼の食材は、イトーヨーカドーで揃えました。
実は、そこもこだわりの一つ。
なぜなら、僕にはイトーヨーカドーのロゴが、こう見えるからです。

マグリット


皆様からの “つくれぽ” もお待ちしています (笑)



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