♪あかりをつけましょ ぼんぼりに~
お花をあげましょ 桃の花~
・・・って、いつの話だよ!
と、ツッコミを入れられてしまいそうなものですが。
今さらながら、根津美術館で開催中の…
“特別展 虎屋のお雛様” に行ってきました。
会期は、4月8日まで。
世間は、すっかりひな祭りシーズンが過ぎ去っていますが、
根津美術館は、まだまだひな祭りムードが全開です。
今回の展覧会で紹介されているのは、
和菓子の老舗 “虎屋” の14代店主・黒川光景が、
娘の初節句のために蒐集、あるいは特注して調えた雛人形と雛道具の優品約300点。
その豪華絢爛たる雛人形の数々たるや・・・。
下世話な話ですが、
一体、いくらつぎ込めば、この一式を揃えることが出来るのでしょうか。
一体、この雛人形セットを揃えるために、羊羹をどれだけ売ったのでしょうか。
(↑それは、どうでもいい)
とにもかくにも、黒川光景の親バカぶりには、驚きと感嘆を隠しきれません (笑)
さてさて、この虎屋のお雛様コレクション。
根津美術館で公開されるのは、実に6年ぶりとのこと。
前回公開された時には、記録的な観客数だったそうです。
そして、今回もまた。
僕は、平日に訪れたのですが、会場には、女性のお客さんがたくさん!
それなりにお歳を召された方ばかりでしたが (←失礼!) 、
皆様一様に、目を少女のように輝かせて、雛人形を眺めていたのが印象的でした。
と、紹介してしまうと、
“やっぱり雛人形だからね。男が観ても、あまり楽しものじゃないよな”
と、この記事を読んでいる男性の方は、思うでしょうが。
僕個人の感想としては、むしろ、その逆で。
今回の美術展は、男性の方が楽しめるような気がするのです。
というのも、雛人形はともかくも。
展示されている雛道具の数々に関しては、
《牡丹唐草文駕籠》 しかり、
《牡丹唐草文三棚》 しかり、
細部にまで精巧に作られた江戸時代のミニチュア。
フィギュアを眺める感覚で、楽しむことが出来るのです。
海洋堂のフィギュアにも負けない江戸・池之端の七澤屋のフィギュアの世界に驚かされること請け合いです。
また、雛道具の中には、コマまで精巧に再現した将棋盤や、
裏のサインまで再現した尾形乾山の器なんかもあり、そのバリエーションの豊かさにも驚かされました。
そして、何よりも驚かされたのが、
そんなに小さくて精巧な雛道具の数々を欠けることなく保管していた虎屋の物持ちの良さ (笑)
間違いなく、大山家なら、何点も道具を無くしています。
(僕も弟も片付けが苦手な子供だったのでw)
こんなに素晴らしいコレクションを、代々大事に保管していてくれてありがとう…の1つ星。
ちなみに。
“虎屋のお雛様” とはありますが、
特に、雛人形全体には、虎屋らしさは、ありません。
ただ、約300点ある雛道具のうち、
とらやのお馴染みの紙袋と同じデザインの重箱の雛道具が1点ありました。
それを目にした人全員が全員、
「あっ、とらやだ!」
と、指を差していました。
今も昔も、虎屋のデザインは変わらないのですね。
また、今回は、展示室5にて、
根津美術館コレクションの中から、酒器が展示されています。
こちらでは、 “大人の雛祭り” として、
様々なシチュエーションに合わせた酒器の組み合わせを、キャプションを交えて紹介しています。
「雛人形もいいけど、やっぱり大人は、お酒ですよね♪」
と、つい頬が緩んでしまいました。
いやはや、何とも心憎い演出です。
さてさて、美術展を観終わった後。
出口の近くでは、虎屋が出張販売をしているではないですか。
和菓子が欲しくなりますねぇ。
つい財布の紐も緩んでしまいそうです (笑)
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虎屋のお雛様
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