評価額、200億円!!
しかも、テヘラン現代美術館 “門外” 不出の作品!!
そんなジャクソン・ポロックの伝説の作品 《インディアンレッドの地の壁画》 が、東京国立近代美術館に初来日!
これは、行くしかありますまい。
というわけで、先日、足を運んできました。
今年2012年は、ジャクソン・ポロック生誕100年の節目の年。
それを記念して開催されている “生誕100年 ジャクソン・ポロック展” は、
意外にも意外に、日本初となるジャクソン・ポロックの回顧展。
(「ジャクソン・ポロックって誰?」 という人は、こちらをクリック!)
冒頭にも紹介した 《インディアンレッドの地の壁画》 の初来日だけでなく、
60年前に日本に初めて来日したポロック作品である 《ナンバー11, 1949》 と、
©2011, Indiana University Art Museum
《ナンバー7, 1950》 が、2点仲良く再来日。
さらには、現在、日本国内に所蔵されている約30点のポロック作品すべてが一堂に会する…など、
“史上最高のポロック展” と呼ぶに相応しい充実した内容でお送りされています。
このポロック展に死角はありません。
・・・ただ。
ジャクソン・ポロック展として完璧だったからと言って、
「= (イコール) 面白い美術展」 だったかと問われると、判断が難しいところ。
アートに興味がある人間にとって、興味深い美術展でしょうが。
アートに興味が無ければ、
“・・・で?この絵のどこがスゴイの??”
で終わってしまう美術展だった気がします。
とは言え、僕個人としては、大変興味深い美術展ではありました。
いわゆるジャクソン・ポロックな作風に辿りつくまで、
《女》 や、
《誕生》 、
ミロ風の絵にエル・グレコ風の絵、メキシコ壁画風の絵…などなど。
なかなか作風が定まらず模索の日々であったことが判明したり。
いわゆるジャクソン・ポロックな作風でブレイクした後、
《ナンバー11, 1951》 のように、
新たな作風にチャレンジするも、
世間からは不評で、またも模索の日々であったことが判明したり。
まるで、一発屋の芸人の生きざまのようで、とかく不憫に思ってしまいました。
ダンディ坂野、髭男爵、ムーディ勝山、ギター侍に、ジャクソン・ポロック。
皆、頑張れ! (←?)
そんなポロックの激動の画家人生を、
今回の美術展会場のレイアウトで再現していたのが印象的でした。
最初の模索の日々のコーナーは、
たくさんの壁が設置されており、次の絵に進むのに、一苦労。
“どうして、こんな風なレイアウトにしたんだ (怒) ” と、ちょっとイラッとしました。
しかし、ポロックが、ポーリングという独自の技法に辿り着くと、
展覧会場のレイアウトが急に開け、かつ、壁紙が色鮮やかになりました。
そのまま行くのかと思いきや、
ポロックの絵に、再び精彩が欠け始めると、展覧会場も地味に。
そして、ラスト (出口) は、唐突にやってきました。
一人の画家の人生を、美術展会場のレイアウトを使って表現する。
この手法は、ポロックの作品は別にして、とても面白かったです。
さてさて、最後に、今回の目玉 《インディアンレッドの地の壁画》 の感想を。
『評価額200億円』 という評価は置いておいて (笑) 、
純粋に、僕は、イイ作品だと思いました。
僕は、こんがらがった紐やケーブルを目にするのが、生理的に苦手。
そういうものを目にしてしまったら、
絡まった箇所を、すぐにほどかないと、気が落ち着かないのです。
(ケータイの充電コードやウォークマンのコードなど)
そんな僕が、この絵を観ても、全く嫌悪感を抱きませんでした。
それどころか、落ち着きを感じるのです。
一見、カオスでめちゃめちゃに描かれている絵のように見えるのですが。
僕が目にしても平気ということは、
おそらく、この絵はカオスではなく、むしろ秩序に支配されている絵なのでしょう。
(生い茂った草木を見ても、嫌悪感を抱かないようなものではないかと)
これまで、何百点もの抽象画を観てきましたが、
初めて心の底から震える一枚に出会った気がします。
《インディアンレッドの地の壁画》 は、今年必見の一枚。
ちなみに。
美術展会場の最後には、
完全再現されたポロックのアトリエが!
床の汚れも、バッチリ再現してありました。
まぁ、再現してもらっておきながら言うのもなんですが。
このコーナーは、あっても無くても、どっちでもよかったです (笑)
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生誕100年 ジャクソン・ポロック展
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