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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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戦後70年特別企画 伊東深水と永井荷風

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千葉県市川市にある芳澤ガーデンギャラリーに行ってきました。
こちらでは、現在、“戦後70年特別企画 伊東深水と永井荷風”が開催中。
市川市が収蔵する作品の中から、伊東深水の 《南方風俗スケッチ》 と、
市川市寄託資料である永井荷風の日記 『断腸亭日乗』 を紹介する展覧会です。

伊東深水と言えば、朝丘雪路さんの父にして、美人画の名手。
そんな伊東深水が、昭和18年に海軍報道班員として、
インドネシアやシンガポールに派遣された際に、現地で描かれたのが 《南方風俗スケッチ》 です。
美人画でもないし、戦争をテーマにしているし、
ましてや素描作品ということで、実はそこまで期待していなかったのですが。

想像以上に、面白かったです!!


まず、何よりも、いい意味で予想を裏切られたのは、作品が明るかったこと。
まだ戦争が本格化する前ということもあって、戦争の雰囲気はほぼほぼ感じられません。

スケッチ  スケッチ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


しかも、本人は嫌々ながら海軍報道班員になって、
しぶしぶインドネシアやシンガポールに派遣されたのだろう、と勝手に思っていたのですが。
そんなことはなく、むしろ逆。
伊東深水は、インドネシアやシンガポールでの生活を楽しんでいたようです。
例えば、こちらはワニの肉を食べた時の素描。

ワニ


ワニの肉は鶏に似ているだとか。
すき焼き風にして食べただとか、フグのようにおろしポン酢で食べただとか。
詳細なレポートも書き込まれていました。


言うなれば、《南方風俗スケッチ》 は、
伊東深水による 『世界ウルルン滞在記』 のようなものでした。

ジャワ  スケッチ



「伊東深水が~、ジャワで~、踊り子たちと出会った~」 みたいなナレーションが聴こえてくるようです。
星

数あるスケッチのなかで、個人的に一番印象に残っているのは、トカゲがたくさん描かれた1枚。

トカゲ


妙に愛らしかったです。
LINEのスタンプにしたいくらいです。


さて、もう一つの主役は、永井荷風の 『断腸亭日乗』 。
会場に展示されていたのは、なんと実物でした。

永井荷風


大正6年から死の前日である昭和34年4月29日まで、
実に42年にもわたって書かれたという 『断腸亭日乗』。
月並みな表現で恐縮ですが、永井荷風の息遣いが聞こえてくるかのようでした。

ちなみに、会場には永井荷風の愛用品も合わせて展示されています。

永井荷風  永井荷風


身長は180cmと意外にも高身長。
意外にもダンディーな人物だったことが判明しました。




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