開館しているんだか、開館していないんだか。
さっぱりわからないくらいに、ほとんど展覧会を開催していない千葉県立美術館。
久しぶりに特別展を開催しているそうなので、久しぶりに行ってまいりました。
開催されているのは、“香取神宮-神に奉げた美-” という展覧会。
千葉県隋一の古社・香取神宮にまつわる資料やお宝の数々を紹介する展覧会です。
展覧会の目玉は何と言っても、 《海獣葡萄鏡》。
国宝です。
《海獣葡萄鏡》 というくらいですから、
「海獣」 と 「葡萄」 が配されているであろうことは、予想がついていましたが。
それ以外にも、トンボやカマキリなどの昆虫や小鳥、
獅子、馬、鹿、麒麟、孔雀、鳳凰、鶏、ガチョウなども配されているようです。
肉眼では、ほとんど判別できませんでしたが。。。
意外と賑やかな鏡でした。
また、荘厳寺の 《木造十一面観音立像》 も、展覧会のもう一つの目玉。
こちらは、重要文化財です。
もともとは、香取神宮の別当寺であった金剛宝寺の本尊仏だったとのこと。
欅の一木造で、像高は3.25mと、なかなかに大きな仏像です。
ただ、不思議と威圧感はありませんでした。
その理由は、「ありがたいお姿だったから」 というよりも、
「体のバランスが変だったから」 であったような気がします。
個人的に印象に残ったのは、同じく重要文化財の 《古瀬戸黄釉狛犬》 です。
どことなくタツノコプロ風。
『タイムボカン』 シリーズに登場しても違和感無さそうです (笑)
そして、もう一つ印象に残ったのが、
今でも12年に一度行われている式年神幸祭、そのかつての姿を描いた 《香取神宮神幸祭絵巻》 です。
室町時代に描かれたものを書き写した絵巻が、現在6点確認されているそうで。
今回の展覧会には、その6点がすべて一堂に会していました。
描かれている内容は、もちろん一緒なのですが。
その6点の中に、他のと比べて明らかにクオリティが低い絵巻がありました。
しかも、2点。
うち1点は、日本民藝館が所蔵しているそうです。
同じ場面を、正しい (?) 《香取神宮神幸祭絵巻》 と比べてみましょう。
まず、こちらが國學院大學蔵ver.
そして、こちらが日本民藝館ver.
・・・虫??
今にも、建物がカサカサと動き出しそうです (笑)
この場面に限らず、どこもかしこも、ゆるゆる。
でも、そのゆるゆるさが、個人的にはツボでした。
というわけで、予想していたよりも、印象的な作品が多かった展覧会ではありましたが。
全体的には、香取神宮の宝物館を、そのまま移転してきたような印象の展覧会でした。
博物館っぽさが、前面に押し出ていると言いますか。
もう少し美術館的な視点で紹介していたら、良かったのに。
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香取神宮-神に奉げた美-
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