先日は、上野の森美術館で開催中の “シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵―美の競艶” へ。
こちらは、個人コレクションとしては世界有数の規模と質を誇る、
シカゴ在住の日本美術収集家ロジャー・ウェストン氏所蔵の肉筆浮世絵の中から、
選りすぐられた約130点が、日本に里帰りし初公開されている展覧会です。
展示されているのは、すべて個人蔵の作品ということで、
とても貴重な機会であることは重々承知しているのですが。
出展作品のうち、実に約80%が・・・・・
西川祐信 《髷を直す美人》
紙本一幅 享保年間(1716~36)頃 ©WESTON COLLECTION
懐月堂度繁 《立姿遊女図》
紙本一幅 宝永~正徳年間(1704~16)頃 ©WESTON COLLECTION
葛飾北斎 《美人愛猫図》
絹本一幅 享和~文化年間(1801~18)©WESTON COLLECTION
立姿の美人図だったので、さすがに少し飽きてしまいました (笑)
もうちょっとバリエーションは無かったものかと。
美人は三日で飽きるとは言いますが、美人画も30点を越えたら飽きるようです。
さて、美人図だらけの展覧会。
もちろん美人図の名手・喜多川歌麿の肉筆画もあったのですが。
喜多川歌麿 《西王母図》
絹本一幅 寛政年間(1789~1801)初期頃 ©WESTON COLLECTION
そこまで美人ではなかったという・・・。
美人図に特化した展覧会だっただけに、なんか残念でした。
ただ、その代わり、来年生誕290年を迎え、
大々的な回顧展が控えている勝川春章の美人図は文句なしで美しかったですし、
勝川春章 《浅妻舟図》
絹本一幅 天明年間(1781~89)もしくは安永年間(1772~81) ©WESTON COLLECTION
退廃的な美人を描かせたら右に出るものはいない溪斎英泉の肉筆画には圧倒的なパワーを感じました。
溪斎英泉 《夏の洗い髪美人図》
絹本一幅 天保年間(1830~44) ©WESTON COLLECTION
見応えは十分にある展覧会だったように思います。
また、何よりも個人的に感銘を受けたのは、肉筆画よりも何よりも、最新型の陳列ケースでした。
肉筆画1枚1枚が、独立した薄型の陳列ケースに。
奥行きが狭いうえに、アクリルパネル面はほとんど反射なし。
よって、すべての肉筆画を、至近距離で鑑賞することが出来るのです。
こんなにも、ストレスなく鑑賞できた浮世絵展は初めてかもしれません。
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シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵―美の競艶
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