東武アーバンパークラインに乗って、野田市駅へとやってきました。
駅を降りたった途端、そこはかとなく香る醤油の匂い。
それもそのはず。
ここ野田市は、キッコーマン発祥の地なのでした。
そんなキッコーマンの街に、キッコーマンと関係が深い美術館があります。
その名も、茂木本家美術館です。
キッコーマン株式会社の源流である野田醤油株式会社の始祖・真木しげ。
その息子である初代・茂木七左衞門から数えて12代目に当たる茂木七左衞門氏が創設した美術館です。
茂木美術館ではなく、茂木 “本家” 美術館と名乗るところに、本家のプライドを感じます (笑)
ちなみに。
茂木本家美術館のマークは、茂木本家の商標を現代風にアレンジしたものなのだとか。
現在使われているキッコーマンのマークは、
二代目茂木七左衞門の時に分家した茂木佐家のマークなのだそうです。
ここにも、本家のプライドのようなものを感じます (笑)
さて、開館して、今年で9年という茂木本家美術館。
展示されているのは、すべて12代茂木七左衞門氏の個人コレクションです。
梅原龍三郎や横山大観、小倉遊亀などの作品がありました。
また、特徴的なのは、様々な日本画家による富士山の絵のコレクション。
展示室に富士山の絵がびっしり。
千葉なのに!
なんとも不思議な空間でした (笑)
ちなみに、茂木本家美術館を設計したのは、愛知万博にて日本館の設計を手がけた彦坂裕さん。
(↑裏庭から眺めると、こんな感じ)
白を基調としながらも、随所にこだわりが見られ、
普通のホワイトキューブの美術館ではありませんでした。
・・・が、しかし。
「面白い建築!」 と思えるほどでは無かったです。
主催するみんなの大東京建築ツアーで、たくさんの名建築を観てきてしまったからでしょう。
さてさて、茂木本家美術館のメインコレクションとなるのは、浮世絵。
3000点ほど所蔵されているのだとか。
それらの浮世絵コレクションを基に、年に5回ほど企画展を開催しているそうです。
現在開催されている展覧会は、テレ東のゴールデンの特番みたいなタイトルの・・・
“広重 日本の旅―広重さん ほんとにこんなに旅したの?!―” です。
東海道シリーズや江戸を描いたシリーズでお馴染みの歌川広重ですが。
実は、それ以外にも、日本全国を描いた浮世絵を数多く残しているのです。
今回の展覧会では、あえて、そちらをフィーチャー。
《六十余州名所図絵》 シリーズを中心に、
《六十余州名所図絵 美濃 養老ノ瀧》
《六十余州名所図絵 安藝 巌島 祭礼之図》
歌川広重が描いた日本全国の風景の数々が紹介されています。
さぞかし、オープニングのサザエさんばりに日本全国を旅していたのだろうと思いきや。
「広重さん ほんとにこんな旅したの?!」 と疑われていることからも、薄々お分かりでしょうが。
実は、広重は、そんなに日本全国を旅していたわけではないようです。
ではでは、写真が無い時代に、これらの風景を、一体どうやって描いていたのかと言いますと。
《六十余州名所図絵 越後 親しらず》
当時出版されていた版画集などを、参考にしていたのだとか。
淵上旭江 『山水奇観 北陸奇勝 越後親不知』
時代が時代なら、ネット民が黙っていません。
google画像検索の無い時代で良かったですね。
ちなみに、《六十余州名所図絵 肥後 五ヶの庄》 の元ネタは、
『北斎漫画』 なのだそうです。
くどいようですが、google画像検索の無い時代で本当に良かったですね。
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広重 日本の旅―広重さん ほんとにこんなに旅したの?!―
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