今年2015年は、日本ブラジル外交樹立120周年に当たる節目の年。
それを記念して、この夏には、東京都現代美術館にて、
ブラジルを代表する建築家、オスカー・ニーマイヤーの展覧会が開催されました。
そして、この冬、今度はワタリウム美術館にて、
ブラジルの国民的女性建築家、リナ・ボ・バルディ (1914~1992) の展覧会が開催されています。
“リナ・ボ・バルディ展 ブラジルが最も愛した建築家” は、来年3月27日まで。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
「リナ・ボ・バルディって名前、初めて聞いた・・・」
という方は、多いことでしょう。
安心してください (←?) 、僕も、初めて耳にしました。
実は、建築関係者でも、リナ・ボ・バルディの名を知らない人は多いはずとのこと。
そういう意味では、今回の展覧会を通じて、リナ・ボ・バルディが日本デビューを果たすわけです。
さてさて、イタリアで生まれたリナ・ボ・バルディは、
第二次世界大戦後に夫と共にブラジルに渡り、1951年にブラジル国民に。
以降、ブラジルで数多くの公共建築を手がけたそうです。
そんな彼女の代表作の一つが、サンパウロ美術館。
女性建築家の作品とは思えない無骨なデザインです。
しかも、1階部分にご注目ください。
なんと、巨大な吹き抜け空間になっています。
赤い巨大な支柱で、巨大なガラスの箱を浮かせているという、なんともダイナミックな建築なのです。
今回の展覧会のために作られたという精巧な模型でも、十分にそのスゴさが伝わりましたが。
現地の写真を見ると、さらに、そのスケール感の大きさが伝わります。
そして、こちらは、リナ最大のプロジェクトとなったSESCポンペイア文化センター。
廃業したドラム缶工場を公共のスポーツセンターへと改装したものです。
こちらも、男勝りのかなりダイナミックな建築ではありますが。
このプロジェクトのために新たに建築された建物の窓部分にご注目ください。
それぞれ異なる形をしたカワイイ雲形の窓が設置されています。
ちなみに、これらの窓にはガラスが嵌められていないとのこと。
洞窟のようなただの “穴” だそうで、常時の換気を可能にしているそうです。
この展覧会中は、ワタリウム美術館の窓も、SESCポンペイア文化センター仕様。
(さすがにガラスは嵌っていますが)
こんなに魅力的な建築家が、日本では知られていなかったとは。
発掘してくれたワタリウム美術館、監修の妹島和世さんに感謝です。
個人的に一番惹かれたのは、リナの処女作であるガラスの家。
リナ夫婦の自邸です。
1951年の作、つまり今から約65年前の建築とは思えないスタイリッシュさ。
家の中心に木が生えているのがオシャンティーです。
さらに、展覧会の会場には、ガラスの家外部の壁の再現や、
リビングルームの再現も。
再現されたリビングルームには、リナがコレクションしていた民芸品の数々も展示されていました。
この展覧会のために、ガラスの家から実際に持ってきたのだとか。
味のある民芸品がたくさんあって、これらを眺めているのも楽しかったです。
中には、べーやんみたいな民芸品も (笑)
ちなみに、リナは建築以外のデザインも得意だったようで、
家具や屋台などのインテリアデザインも手掛けていたようです。
また、ファッションのデザインも器用にこなし、
サッカーのユニフォームまでもデザインしてしまったのだとか。
4階の会場では、リナが手がけたボール・チェアも。
こちらは実際に座ることが可能です。
リナがデザインした椅子に座りながら、リナのインタビュー映像を視聴。
晩年近くのリナの姿は、若い頃の面影が全くありませんでした。。。。。
何があったのでせう。。。。。
インタビュー映像を観ないほうが良かったなぁ。。。 (笑)
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
リナ・ボ・バルディ展 ブラジルが最も愛した建築家
↧