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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第6回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉

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現代陶芸の振興を目的に、2年に1度のペースで、
公益財団法人菊池美術財団で開催されている菊池ビエンナーレ
2002年にスタートし、今年で6回目となります。
今回の応募総数は、318点。

そのうちの入選作50点 (大賞1点、優秀賞1点、奨励賞2点、計4点の作品を含む) が、
菊池寛実記念 智美術館で開催中の “第6回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉” で紹介されています。


栄えある大賞に輝いたのは、神田和弘さんの 《繋ぐ》 という作品。

繋ぐ


画像では、あまり伝わらないと思いますが。
実際の作品は、グレードの高いホテルにあるような大きな枕を半分に折り曲げたような形をしています。
なので、画像で観るよりも、軽やかでふっくらした感じを受けました。
顔をうずめたくなったほどです (←?) 。
とは言え、決してゆるいわけではなく、細部まで神経が行き届いた作品という印象でした。
確かに、大賞を受賞するのも納得です。


大賞とは対照的に (←ダジャレじゃないですよ!)、
優秀賞の津守愛香さんの 《サムライ・マーメイド》 はのほほんとした印象。

侍


フォルム、世界観、色遣い。
どこをとっても、愛らしいです。
ミロのヴィーナスや土偶を彷彿とさせるところもあり、
初めて目にするのに、どこかで目にしたことがあるような、ノスタルジック感がありました。
個人的には、今回紹介されていた作家さんの中で、
最も、他の作品も観てみたいと思わされる作家さんでした。


奨励賞を受賞したのは、若月 バウマン ルミさんの 《Form》 と、

若月 バウマン ルミ 《Form》


張蕙敏さんの 《種の器》 の2点。

張 蕙敏 《種の器》


ちなみに、張さんの 《種の器》 は、桃の種を直接型取り、溶着させて器の形に仕上げた作品です。
桃の種への執着心が、執拗なくらいに感じられました。


さてさて、4作品以外にも、気になる作品は多数。
むしろ、僕的には、それらの作品と4作品との差は、あまり大きくは感じられませんでした。
そういう意味では、今回の菊池ビエンナーレは接戦だったのではないかと思われます。
星


とに~賞をあげるとするならば、須藤訓史さんの 《押点文器「雪」》 です。
(作家本人は欲しくもなんともないでしょうが)

推し打ち


器の表面に壁紙みたいな文様が見受けられますが。
実は、これらは、焼成前に小さいスタンプをペタペタ押して付けたもの。
なんと気の遠くなるような作業なのでしょう!
絵画で言えば、新印象派のような作品です。



ちなみに、もっとも気になった作家は、駒井正人さん。
なんでも駒井さんは一貫して土瓶だけを作り続けているのだとか。

・・・・・・・何かの呪い?

それはともかく、今回ももちろん 《土瓶》 を出展。
しかも、5点。

駒井


5つの土瓶をしばらく眺めていると、キャラクターのように思えてきました。
土瓶ファイブ。
『ピタゴラスイッチ』 あたりで、放送されていそうです。




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