「水と生きる」 というコーポレートメッセージを掲げるサントリー。
そんなサントリーの企業美術館であるサントリー美術館では、
来年2月7日まで、“水 神秘のかたち” という展覧会が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、古来より日本人が、いかに水を信仰の対象としてきたかを紹介するもので、
「水の力」 や 「水の神仏」、「水の理想郷」「水と吉祥」 など全6章から構成された展覧会です。
流水の文様が施された銅鐸に始まり、
水と関わりの深い仏像 (=《十一面観音立像》) や、
灌頂の儀式 (※) に用いられた屏風、
(※ 密教で受戒する時や修行者が一定の地位に上がる時に香水を頭に注ぐ儀式)
重要文化財 《日月山水図屏風》 六曲一双 室町時代 15~16世紀 大阪・金剛寺
(注:展示は1月11日までです)
雨乞いと密接な関係がある龍神の姿を描いた図像、
国宝 《善女龍王像》 定智筆 一幅 平安時代 久安元年(1145) 和歌山・金剛峯寺
(注:展示は1月11日までです)
さらには、吉祥の文様として水を図案化した掛軸や調度品などなど、
あらゆるジャンルの作品が展示されていました。
水と安全はタダだと思っている典型的な日本人の僕。
それゆえ、“水と信仰” というテーマが、
実のところ、いまいちピンと来ていなかったのですが。
会場に展示された様々な品々を目にして、昔の日本人にとって、
どれほど水が神聖で、どれほど水が貴重なものだったのかを、まざまざと感じることが出来ました。
そういう意味では、今年開催された中で一番感銘を受けた展覧会かもしれません。
個人的に、もっとも印象に残っているのが、
水にまつわる神仏を紹介していたコーナーです。
水の神様と云われても、何一つ思い浮かばなかったのですが。
実は、芸事や金運の神様のイメージが強い弁才天は、もともとは水を神格化した神様なのだとか。
日本では、なぜか宇賀神 (蛇神) と習合した姿で現されることが多く、
宇賀神を頭に載せたタイプの弁才天像も、何パターンか紹介されていました。
それらに混ざって紹介されていたのが、
石山寺に伝わる 《天川弁才天曼荼羅》 (写真右)。
手は10本。
頭は3本の蛇という異形すぎる弁才財天です。
この姿を知ってしまった以上、来年の正月から、七福神を見る目が変わりそうです。
ちなみに、作品としてのお気に入りは、円空さんが彫った 《善女龍王立像》 。
先ほど紹介した国宝の善女龍王の姿とは、かなり違います。
水と油くらい違います。
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水 神秘のかたち
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