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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち

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森アーツセンターギャラリーで開催中の・・・

森アーツセンターギャラリー


“フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち” に行ってきました。

こちらは、17世紀のオランダ黄金時代に焦点を当てた展覧会で、
メトロポリタン美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、アムステルダム国立美術館の所蔵作品を中心に、
その当時に活躍した画家の作品60点で構成されています。

展示室  展示室
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


展覧会の目玉は、もちろん17世紀オランダ美術界の2大巨匠フェルメールとレンブラント。
それぞれ、日本初公開の作品が出展されていました。

ここ数年、毎年のようにフェルメール作品が来日、
それも、日本初公開のフェルメール作品が来日しているので、
正直なところ、「あぁ、またフェルメールが来たんだ」 と、若干飽き気味だったのですが。
(↑慣れって、怖いですね。。。)
実際に、今回初来日した 《水差しを持つ女》 と向き合ってみたら・・・

ヨハネス・フェルメール
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


なんだかんだ言って、普通に感動してしまいました。
普通に見惚れてしまいました。

水差しを持つ女  ヨハネス・フェルメール 《水差しを持つ女》
1662年頃 油彩・カンヴァス、45.7×40.6cm メトロポリタン美術館、ニューヨーク
Marquand Collection, Gift of Henry G. Marquand, 1889 (89.15.21)
Photo Credit: Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY



画面の中を流れるゆったりとした時間。
画面の中から滲み出てくる精神性。
張り詰めた空気とほのかな温かみの調和。
どれをとっても完璧です。
やはり別格。
フェルメール作品は、だいぶ日本でこすられた感がありますが、
それでも、いまだにフェルメール展が開催される理由が、改めてわかった気がします。
星星


ちなみに、レンブラントの日本初公開作品というのが、こちら↓

レンブラント


肖像画、歴史画を得意とするレンブラントの傑作とされる 《ベローナ》 です。

ベローナ  レンブラント・ファン・レイン 《ベローナ》
1633年 油彩・カンヴァス、127.0×97.5cm メトロポリタン美術館、ニューヨーク
The Friedsam Collection, Bequest of Michael Friedsam, 1931 (32.100.23)
Photo Credit: Image copyright © The Metropolitan Museum of Art. Image source: Art Resource, NY



ベローナとは、古代ローマの戦争の女神のひとり。
レンブラントは、そんなベローナを兜と鎧を身にまとい、
剣とメドゥーサが装飾された盾を手にした姿で描いています。
実に、勇ましい。

・・・・・が、顔は、どこか牧歌的。
とても戦争の女神には見えません。
なんだか主婦のように見えます。
不思議な印象の作品でした。


さてさて、今回の展覧会は、決して、
「フェルメールとレンブラント、そして、その他大勢の画家の展覧会」 というわけではありません。
フェルメールとレンブラント以外にも、
ロイスダール、ヤン・ステーン、フランス・ハルスをはじめ、
17世紀オランダ美術界を代表する画家たちが勢揃いしています。

その中でも特に見逃せないのが、カレル・ファブリティウスという画家です。

帽子と銅よろいをつけた男  カレル・ファブリティウス 《帽子と胴よろいをつけた男(自画像)》
1654年 油彩・カンヴァス、70.5×61.5cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー
NG4042 Bought, 1924 Credit: © The National Gallery, London



彼は、レンブラントの弟子とされる人物で、
フェルメールに大きな影響を与えたとも言われています。
デルフトにおける火薬工場爆発に巻き込まれ、32歳という若さでこの世を去ったカレル・ファブリティウス。
現存する作品は、フェルメールよりも少なく、十数点のみです。

そんなカレル・ファブリティウスの作品が、
今回の展覧会には、2点も出展されていました。

2点


フェルメールとレンブラントの作品初来日よりも、
もしかしたら、こちらのほうが奇跡的と言えるかもしれません!
人物や衣服の描写が巧いのは、もちろんのこととして。
何の変哲もないはずの壁紙の描写まで巧いと感じさせてしまうのですから、非凡な才能の持ち主です。


それから、もう一人見逃せない画家が。

女性と召使いのいる中庭  ピーテル・デ・ホーホ 《女性と召使いのいる中庭》
1660-61年頃 油彩・カンヴァス、73.7×62.6cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー
NG794 Bought, 1869 Credit: © The National Gallery, London.



ピーテル・デ・ホーホです。
彼もまた、フェルメールに影響を与えたと言われる人物。
ちなみに、こちらの 《女性と召使いのいる中庭》 も、日本初公開作品です。

召使が女主人に、何かを指図されている場面が描かれているのだそうです。
「皿を地べたに置かない!」 と根本的なところから怒られているのかもしれませんね。




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