東京国立近代美術館で開催中の “恩地孝四郎展” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、日本抽象美術の先駆者とされる恩地孝四郎 (1891~1955) の回顧展です。
(←写真の右に飾られているのが自画像です)
出展数は、実に約400点!!
そのうち62点は、海外所蔵館 (大英博物館・シカゴ美術館・ボストン美術館・ホノルル美術館) からの里帰り。
まさに過去最大規模の恩地孝四郎と言えましょう。
・・・・・と、スケールが大きなことに異存はないのですが。
個人的に気になったのは、恩地孝四郎を主人公にして、
果たして、展覧会が盛り上がるのだろうか、ということ。
日本の美術界においては、重要な人物ですが、一般的な知名度となると・・・。
さらに、代表作らしい代表作と言えば、《『氷島』の著者(萩原朔太郎像) 》 くらいのような・・・。
そんな僕の不安は、見事に (?) 的中してしまいました。
若かりし日に、田中恭吉、藤森静雄とともに創刊した、
自画・自刻・機械刷りによる木版詩画集 『月映』 に寄せた作品にはじまり、
昭和期に突入してからの 〈人体考察〉シリーズや 〈音楽作品による抒情〉シリーズへの展開、
戦後、GHQ関係者として外国人コレクターたちの理解によって世界的な名声を得るに至るまで。
恩地孝四郎の画業が、その膨大な作品とともに紹介されていたわけですが。
展覧会としては、最初から最後まで、特にドラマチックな見せ場がなかったなぁ。
というのが率直な感想です。
決して、恩地孝四郎が悪いというのではなく。
恩地孝四郎 (という一般的に知名度の低い作家) を取り上げた以上、
一般の人が、もっと楽しめるような (=もっと感情移入できるような) 演出が必要だったのでは?
例えるならば、去年の大河ドラマ 『花燃ゆ』 のような感じでした。
出展されていた作品の多くが抽象版画だったため、
なかなか僕と波長が合うような作品は無かったのですが。
気に入ったのが、《ダイビング》 と 《ノックダウン》 という作品。
スポーツならではの躍動感が伝わってくる良品でした。
それと、木版画ではないのですが、
恩地孝四郎が描いた油彩画も、独特の重力があってグググッと引きこまれました。
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恩地孝四郎展
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