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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉

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東京都庭園美術館で開催中の “ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉” に行ってきました。

ガレ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)



アール・ヌーヴォーを代表する工芸家エミール・ガレの作品を、
“アール・デコの館” 東京都庭園美術館の空間で紹介する注目の展覧会です。

アール・ヌーヴォーとアール・デコ。
時代としては、一世代分くらいの差はあるのですが。
そんなことは気にならないくらいに、空間と見事に調和していました。

1

縦  庭園


特に印象的だったのが、2階の殿下書斎での展示。

2階の殿下書斎


まるで昔から、そこにあったかのような印象を受けました。
あまりにも違和感がないので、この展覧会が終わっても、所蔵元に返さなくていいのでは? (←オイッ!)

ちなみに、僕が訪れたのは、日が沈んでからでしたが。
ガレのガラス工芸作品の美しさを自然光で堪能してもらえるよう、
本館での展示は、出来るだけ陽の光が差し込むように工夫されているそうです。
ガレのガラス工芸作品、朝から見るか?午後から見るか?
訪れる時間によって、表情が違うことでしょう。


・・・と、どちらかと言えば、
本館での展示は、ガレ作品のインテリアとしての魅力が伝わってきましたが。
現代的な空間の新館での展示ではうって変わって、
ストレートに、ガレ作品の造形的で意匠的な魅力が伝わってきました。

新館

展示  展示


これまで、「ガラス工芸品=マダムが好きなもの」 というイメージを、なんとな~く抱いていました。
しかし、ガレ作品に関しては、修正。
マダム以上に、マニアに好まれる作品です。
それも、美術マニアではなく、植物マニアに。

14歳から筋金入りの植物マニアだったというガレ。
自邸の広大な庭では、約3000種の植物を育てていたそうです。
僕は植物マニアではないので、そこまでシンパシーは感じませんでしたが (笑)
それでも、植物マニアならではのこだわりや植物愛が、ガレの作品からヒシヒシと伝わってきました。
玉ねぎや茄子をモチーフにして、

玉ねぎ  那須


こんなにも優美な姿を生み出してしまえる人間は、確実に植物マニアです。(断言)

ガレの魅力を最大限に、そして、新たな一面までも引き出した展覧会だったように思えます。
文句のつけようがありません。
星星星
東京都庭園美術館の隣にある国立科学博物館附属自然教育園とセットで楽しみたい展覧会です。


ちなみに。
どのガレ作品も、くれると言うなら、喜んでもらいますが (←?)
《蝉文花瓶》 だけは、ご勘弁。

蝉


蝉がリアルなうえに、デカい。
自分の家はもちろん、人の家にあっても、引きます。




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