昨年の秋に、改装工事を終えた静嘉堂文庫美術館。
それを記念して、3回にわたって、リニューアルオープン展が開催されています。
その第2弾となるのが、“茶の湯の美、煎茶の美” という展覧会です。
静嘉堂文庫美術館の宝、いや、日本の宝というべき 《曜変天目》 や、
国宝 《曜変天目(稲葉天目)》 南宋時代・12~13世紀 静嘉堂文庫美術館蔵
足利義政、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった天下人たちの手を渡った大名物 《付藻茄子》 を筆頭に、
大名物 《唐物茄子茶入「付藻茄子」(松永茄子)》 南宋-元時代 13-14世紀
静嘉堂文庫美術館が所蔵する茶道具コレクションの中から、
超一級品のスター選手ばかりを厳選して紹介した展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
そこまで茶道具に明るくない僕が観ても、
十分にオーラのようなものが感じられたくらいですから。
きっと茶道具のファンや茶道をたしなんでいる方が観たなら、
そのラインナップの豪華さに、卒倒してしまうかもしれません。
下手したら、鼻血が出てしまうかもしれません。
さてさて、今回の展覧会は、茶道具だけが主役ではありません。
静嘉堂文庫美術館の煎茶器コレクションが、今回の展覧会のもう一つの主役です。
茶道具コレクションの人気に乗っかっただけのバーター的な立ち位置かと思いきや、
実は、静嘉堂文庫美術館の煎茶器コレクションは、世界的に評価が高いコレクションなのだとか。
・・・・・・・と言われても、なにぶん煎茶器は未知の世界。
急須を茶銚 (ちゃちょう) と呼ぶことさえ、今回初めて知った僕です。
日常で見かける急須とは違って、風格のようなものは感じられるものの、
具体的に、どのあたりが世界中のコレクターが目の色を輝かすほどの急須なのかがわかりません (泣)
《朱泥倶輪珠茶銚“大頭倶輪珠”》 宜興窯 清時代後期 (18-)19世紀(奥蘭田ほか旧蔵)
ただ、聞いた話によりますと、これらの茶銚は、茶銚に適した素晴らしい土が使われているようです。
なんでも、中国でしか取れないきめの細かい土なのだそうで、
この土で作れば、ギュッとキュッと固く締まった茶銚になるとのこと。
固く締まって焼きあがったからこそ、スパッとした注ぎ口になるのだとか。
《梨皮泥茶銚」(8口「荊溪八仙」)》 宜興窯 清時代 17-18世紀 (奥蘭田旧蔵)
確かに言われてみれば、ギュッキュッスパッとしています。
メカニカルでカッコいいです。
キャタピラを付ければ、戦車のプラモデルみたいになりそうです (←?)
静嘉堂文庫美術館の煎茶器コレクションが、
まとまった形で公開されるのは実に15年ぶりとのこと。
この機会に、煎茶器の世界への扉を叩いてみてはいかがでしょうか。
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茶の湯の美、煎茶の美
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