今回ご紹介する展覧会は、練馬区立美術館で開催中の・・・
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
“国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション” です。
今や浮世絵界きってのキラーコンテンツとも言うべき歌川国芳。
ここ数年、何度も大きな歌川国芳展が開催されています。
・・・・・それだけに。
若干、歌川国芳展に飽き始めています (笑)
今回の展覧会に関しても、
「どうせ、いつものような歌川国芳展でしょ」 と思っていたのが、正直なところです。
しかし、毎回期待を裏切らないのが、練馬区立美術館。
今回の歌川国芳展も、練馬区立美術館らしい味付けがしてありました。
それは、日本屈指の国芳コレクターである悳俊彦 (いさおとしひこ) さんにもスポットを当てているということ。
実は、国芳コレクター・悳俊彦さんのもう一つの顔は、武蔵野の自然を描く洋画家。
今回の展覧会では、悳さんの国芳コレクションとともに、悳さんご自身の作品も展示されています。
こういう絵を描く人が、国芳の作品に惹かれるのは、意外というかなんというか。
良くも悪くも、コレクションの趣味と自身の作品世界は、切り離されているのでしょうね。
さてさて、悳さんの洋画もイイですが。
やっぱり印象に残っているのは、悳さんの国芳コレクション。
《相馬の古内裏》 のような代表作も数多くありましたが、
現存で2点しか確認されていないという 《鼠よけの猫》 など希少な作品も多数ありました。
個人的に一番印象に残ったのは、《大山石尊良弁瀧之図》 という作品。
人がみっちり描かれています。
ちゃんと真剣に探していませんが、おそらく、どこかにウォーリーがいるはずです。
さてさて、国芳の作品ももちろん良かったのですが。
国芳一門の絵師や国芳にインスパイアされた幕末・明治期の浮世絵師、
つまり国芳イズムを受けついた絵師たちの作品のほうが、個人的にはヒットでした。
河鍋暁斎の 《今昔未見 舶来虎真図》 もインパクト大でしたし、
月岡芳年の 《月百姿 朧夜月 熊坂》 もディズニーアニメのようなカラーリングでインパクト大。
しかし、何と言っても、今回最もインパクトが大きかったのは、小林永濯。
《猫図》
こんなにもおどろおどろしく猫を描ける絵師は、彼をおいて他にいないことでしょう。
今回の展覧会の裏の主役なのではないかというくらいに、作品群が充実していた小林永濯。
特にオススメは、こちらの 《鍾馗図》 。
原哲夫 (代表作:『北斗の拳』) が描いたのかと思いました。
そして、もう一つのオススメが、《食いしん坊の図》 。
新沢基栄 (代表作:『ハイスクール!奇面組』) が描いたのかと思いました。
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国芳イズム―歌川国芳とその系脈
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