本日紹介するのは、Bunkamuraザ・ミュージアムの “ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞” 。
ボストン美術館が誇る世界有数の浮世絵コレクションの中から、
選りすぐりの歌川国芳&歌川国貞の浮世絵作品170件を紹介する展覧会です。
それだけ聞くと、よくある感じの浮世絵展といった印象を受けるでしょうが。
今回の展覧会は、これまでの浮世絵展とは、かなり毛色が違いました。
まず、プロジェクションマッピングから始まります。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
音声ガイドに、B'zの松本孝弘書き下ろしのテーマ曲が収録されています。
そして、ミュージアムグッズに、スケボーが売っています。
完全に、若い年齢層をターゲットにした浮世絵展です!
年配の浮世絵ファンは、もしかしたら眉をひそめるかもしれません。
確かに、全体的には少しはしゃいでいた印象を受けました(笑)
しかし、中身はいたって真面目。
若い人にも、浮世絵に興味を持ってもらおうというチャレンジングで意義のある展覧会でした。
「恋心炎上。」 とか 「化けました。」 とか、壁に添えられた言葉のチョイスも秀逸。
浮世絵との距離がググッと近づくはずです。
ただ、「骸骨彫物伊達男」 と書いて、「スカル&タトゥー・クールガイ」 と読ませるとか、
「今様江戸女子姿」 と書いて、「エドガールズ・コレクション」 と読ませるとか・・・
各章のタイトル名に関しては、若干のやりすぎ感は否めませんでした (笑)
中2病か!
展覧会全体として、面白かったですが。
もちろん作品それぞれも、面白かったです。
個人的にもっとも印象に残っているのは、歌川国芳の 《江戸ノ花 木葉渡 早竹虎吉》 という作品。
サンフランシスコやニューヨークでも興行したという幕末の人気軽業師・早竹虎吉を描いた1枚です。
歌川国芳 《江戸ノ花 木葉渡 早竹虎吉》
安政4(1857)年 William Sturgis Bigelow Collection, 11.21921 Photograph © 2016 Museum of Fine Arts, Boston
足だけでバランスを取りながら、左右の手でそれぞれ人を抱える。
シルク・ドゥ・ソレイユよりスゴい曲芸です。
サンフランシスコやニューヨークでも興行したのも納得。
また、歌川国貞のデザインセンスが存分に発揮された・・・
《「御誂三段ぼかし 浮世伊之助」三代目岩井粂三郎、「葉歌乃新」初代河原崎権十郎、
「野晒語助」四代目市川小團次、「夢乃市郎兵衛」五代目坂東彦三郎、
「紅の甚三」二代目澤村訥升、「提婆乃仁三」初代中村福助作品》 も印象的でした(←タイトル長っ!) 。
江戸時代とは思えないファンシーさです。
展覧会のラストには、4月18日までと期間限定ではあるものの写真撮影可能なエリアも。
この浮世絵のもうちょっと状態が良いのがあったら・・・とか、
作品が多過ぎたかなぁ・・・とか、細かいところを挙げれば、キリが無いですが。
それらを軽く帳消しするくらいに、終始、楽しい展覧会でした。
3ツ星です!
余談ですが、最後まで買おうか買うまいか悩んだのが、この猫のぬいぐるみ。
元ネタは、もちろん歌川国芳のこちらの作品です。
歌川国芳 《荷宝蔵壁のむだ書(黄腰壁)》
弘化5(1848)年頃 William Sturgis Bigelow Collection, 11.27004 Photograph © 2016 Museum of Fine Arts, Boston
買っておけば良かったかなァ。
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ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
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