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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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馬鑑 山口晃展

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先日は、桜が満開の根岸競馬記念公苑へ。

根岸競馬記念公苑


その敷地内にある馬の博物館では、

馬


馬の博物館の運営母体である馬事文化財団の創立40周年を記念して・・・

チラシ


“馬鑑 山口晃展” というスペシャルな展覧会が開催されています。


こちらは、日本各地の美術館から引っ張りだこの、
人気No.1現代美術家・山口晃さんの博物館では初となる展覧会です。

「しかし、なぜに馬の博物館で??」

と疑問だったのですが、会場でストンと腑に落ちました。
確かに、山口さんの作品には、馬が頻繁に登場しているのです。

「日清日露  山口晃 「日清日露戦役擬畫」より「フランス重騎兵」 2002年
紙に鉛筆、ペン、水彩 10x14.8cm 撮影:宮島径 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery



野点馬圖  山口晃 《野点馬圖》 2008年
紙に水彩 56.8x 46.3cm ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery



これまで意識したことがなかったですが、
もしかしたら、最も馬を描いているNo.1現代美術家も山口晃さんなのかもしれません。

今月29日から始まる “道後アート2016” のメインアーティストでもあり、その忙しさゆえでしょうか。
今回の展覧会に展示されているのは、過去の作品ばかりです。
唯一の新作は、いつものように (?) 、未完の状態でした。
新作が観たいという方は、会期終盤あたりを狙っていくのがベターです。


ただ、これまで発表された作品ばかりではありましたが。
山口さんの 《厩圖》 を、

産まず  山口晃 《厩圖》 2001年
カンヴァスに油彩 74×175㎝ 高橋コレクション蔵 撮影:木奥恵三 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy Mizuma Art Gallery 



馬の博物館が所蔵する桃山時代の 《厩図屏風》 と並べて展示してみせたり、

桃山  《厩図屏風》(部分) 紙本金地着色 6曲1隻 桃山時代


バイク馬が朽ち果てる様を描いた 《九相圖》 と実物の馬の頭蓋骨を並べてみせたり、
と、馬の博物館とのコラボならではの展示で、新たな魅力が引き出されていたように思います。
入館料は、なんと200円!
アクセスの不便さはあるもののオススメです。
星星


ちなみに。
岩手県遠野にあったものが移築され、常設されている曲り家(母屋と馬小屋が繋がっている家) が、
今回の展覧会の期間中は、山口晃さんの手によってインスタレーション作品に変貌しています。

曲がりや


一見すると、何の変哲もない曲り家ですが・・・

ん


「ん?」

んん


「んん?」

江戸時代にはあるはずのないものが、混在しているではないですか!

もちろん、曲り家なので、馬はいるわけですが。

馬


今回は、現代の馬 (?) オートバイもいます。

キャプ  オートバイ


ちょっとクスッとなるインスタレーション作品でした。




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