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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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細密工芸の華 根付と提げ物

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たばこと塩の博物館で開催中の “細密工芸の華 根付と提げ物” に行ってきました。

チラシ


こちらは、印籠や煙草入れといった 「提げ物」 と、

印籠  煙草入れ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


それらを紐で帯から吊るして持ち歩く際に用いた留め具であった 「根付」 を紹介する展覧会です。

根付  根付


もちろん、出展数約80点にも及ぶ提げ物も素晴らしかったです。
素晴らしかったのですが、それ以上に、根付が素晴らしかったです!
今回の展覧会には、国内の関係機関、団体、個人が所蔵する根付が、なんと約370点も集結!!

根付  根付


しかも、古典根付 (江戸時代) 、近代根付 (明治~昭和)
さらに、現代根付 (昭和中期以降) と、全時代をカバーした充実っぷり。
まさに、根付の展覧会の決定版とも言うべき内容です。


どの根付も素晴らしかったのですが、
まず何と言っても衝撃だったのは、画面奥に見える 《蛤》 の根付です。

蛤


拡大したものが、こちら↓

蛤


何をどうやったら、象牙を彫り抜いて、あの投網を表現できるのか。
何をどうやったら、象牙を彫り抜いて、あの松の木を表現できるのか。
しかも、蛤の中に。
超絶技巧にもほどがあります。。。
厚切りジェイソンでは無いですが、
思わず 「ホワイジャパニーズピーポー!」 と頭を抱えたくなりました。


また、『美の巨人たち』 でも取り上げられた伝説の根付師・森田藻己の実力は、やはりスゴかったです。
今回の展覧会には、彼の作品が13点も出展されています。
個人的には、《竹筒の中の桶屋》 に強い衝撃を受けました。

伝説  


《竹筒の中の桶屋》、上から見るか?横から見るか?

上  横


どう彫り抜いたら、こういう形が作れるのでしょう??
きっと3Dプリンターでも、このような複雑な形は作れないはずです。


そんな森田藻己の兄弟弟子にあたる大内玉藻の 《松茸狩り》 も衝撃的な逸品でした。

松茸狩り


一見すると、普通に巧い栗の根付です。
(↑全部がスゴすぎて、普通のスゴいでは驚けなくなっている。感覚マヒ状態)
しかし、栗をパカッと開けると、中には松茸を食する二人の人物が!

松茸


『サザエさん』 のオープニングかっ!!


他にも紹介したい根付はまだまだありますが、キリが無いのでこの辺りで。

根付  根付


感動も大きいですが、目の負担も大きい展覧会です (笑)
単眼鏡があるに越したことはありません。
たったワンフロアの展覧会にも関わらず、真剣に観賞すると、ゆうに1時間はかかるはず。
時間には余裕を持って臨まれることをオススメいたします。
星星




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