唐衣きつゝなれにしつましあれば はるばるきぬる旅をしぞ思ふ
『伊勢物語』 の中に登場するこの和歌にインスパイアされて誕生した国宝があります。
根津美術館が所蔵する尾形光琳の傑作の 《燕子花図屏風》 です。
国宝 《燕子花図屏風》(左隻) 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵蔵
国宝 《燕子花図屏風》(右隻) 尾形光琳筆 日本・江戸時代 18世紀 根津美術館蔵蔵
毎年、根津美術館では、カキツバタの季節に合わせて、
そんな 《燕子花図屏風》 をお披露目する特別展を開催してきました。
もちろん、それは2016年も健在で、“国宝 燕子花図屏風 歌をまとう絵の系譜” と題し、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
国宝 《燕子花図屏風》 を、
和歌と密接に関係した絵画作品の数々とともに紹介しています。
作品のサイドには、それぞれに対応する和歌が添えられていました。
和歌を (心の中で) 読み上げながら、
作品を鑑賞してみると、よりふくよかなイメージに。
音と絵のコラボ。
ちょっとミュージカルに通ずるところがある気がしました。
ちなみに、今年は、『伊勢物語』 つながりで、
室町時代に制作された個人蔵の 《伊勢物語絵巻》 も合わせて展示されています。
巧すぎず。ユルすぎず。
絶妙なラインのヘタさで、なんとも言えない味がありました。
作者不詳の彼 (もしかしたら彼女?) の手にかかれば、カキツバタのシーンもご覧の通り。
題材こそ同じですが、《燕子花図屏風》 との差がスゴすぎます。
改めて、尾形光琳の類まれなるセンスを実感せずにはいられません。
個人的にお気に入りなのは、
追手から逃げる主人公が女とともに、武蔵野の草むらに隠れるというシーン。
全然、隠れてないですやん!
思わず関西弁でツッコみたくなりました。
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国宝 燕子花図屏風 歌をまとう絵の系譜
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