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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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フランスの風景 樹をめぐる物語

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今回ご紹介する展覧会は、“フランスの風景 樹をめぐる物語”
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて、6月26日まで開催されています。

こちらの展覧会は、タイトルずばり 「樹木」 がテーマ。
コローやテオドール・ルソーらバルビゾン派の画家が描いた作品から、

テオドール・ルソー  テオドール・ルソー 《バルビゾン、夕暮れの牧草地》
1840年頃 油彩、板 11.5×20㎝ 個人蔵 Collection privée

 

モネやピサロといった印象派の画家が描いた作品、

モネ  クロード・モネ 《ヴェトゥイユの河岸からの眺め、ラヴァクール(夕暮れの効果)》
1880年頃 油彩、キャンヴァス 120×155㎝ 個人蔵 Collection privée



そして、ヴァロットンはじめとする20世紀の画家が描いた作品まで。

ヴァロットン  フェリックス・ヴァロットン 《オンフルールの眺め、朝》
1912年 油彩、キャンヴァス 146×97㎝ オワーズ県美術館、ボーヴェ
Beauvais, MUDO, musée de l'Oise © RMN-Grand Palais / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF



「樹木」 をモチーフにした作品約110点を通じて、
19世紀以降のフランス近代風景画の流れを紹介するユニークな切り口の展覧会です。


テーマがテーマだけに・・・

会場  会場
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


派手な絵画はほとんどありません。
しかし、心に染み入る絵画はたくさんありました。
ギュスターヴ・ドレの 《嵐の後、スコットランドの急流》 (写真右) に、

ドレ


フレデリック・モンナールの 《剪定》 (写真左) に、

モンナール


シャルル・ラコストの 《ベアルンの風景、大木》 (写真左) は、

個人蔵


とりわけて心に染み入った作品です。
木のある光景というのは、どこか心の原風景に通ずるのかもしれません。
しかも、これら3点を含め、個人蔵の作品が多かったので、
この展覧会でしか出会えないのかもと考えると、感動もひとしおでした。


と、特に作品に関しては、好印象しかなかったのですが。
あ、いや・・・

「エミリオ・ボッジョの 《手すり》 (写真右) は、どう考えても樹ではなく手すりがメインでしょ!」

エミリオ


とは思いましたが、そんな小さなことはさておきまして。

「山」 でもなく、「川」 でもなく、あえて 「樹木」 をテーマにしたのに関わらず。
「樹木」 をテーマにした必然性のようなものが、いまいち伝わらなかったのは残念なところ。
絵のスタイルは大きく変遷しているのに、
そこまで 「樹木」 の表現に大きな変遷は見られなかったように思います。
また、フランスの画家は、そこに樹木があるから、樹木を描いているような印象を受けました。
日本画でいうところの 『松=長寿』 や 『桜=日本美』 のような象徴性はなさそうです。
“樹をめぐる物語” の日本ver.も、いつか開催されて欲しいものです。
星


 ┃会期:2016年4月16日(土)~6月26日(日)
 ┃会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
 ┃
http://www.sjnk-museum.org/program/current

~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “フランスの風景 樹をめぐる物語” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、4月29日。当選は発送をもって代えさせていただきます)




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