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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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北大路魯山人の美 和食の天才

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2013年、「和食(WASHOKU)」 がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
それを記念し、『美味しんぼ』 の海原雄山のモデルにもなっている (?) 、
芸術家にして美食家・北大路魯山人をフィーチャーした展覧会が三井記念美術館で開催されています。
“北大路魯山人の美 和食の天才” は、6月26日まで。

着た王子


幼き頃より、食に対して、異常なくらいに関心を持っていたという北大路魯山人。
42歳の時に、高級食材をふんだんに使った究極のメニューを、
古美術品の陶磁器に盛り付け客にふるまう会員制の食堂 『美食倶楽部』 を設立しました。
自ら厨房に立ち、美食を追及した魯山人は、やがて器にも目を向けるようになります。
既存の器では満足できず、料理に合う究極の器を求め、
「器は料理の着物」 というポリシーのもと、自ら作陶までするようになったのです。


今回の展覧会には、そんな魯山人が生み出した器の数々が展示されています。

展示  魯山人  
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


東京国立美術館や京都国立美術館、足立美術館といった美術館が所蔵する器だけでなく。
個人蔵の貴重な器も多く出展されていました。
また、あの有名な寿司屋・銀座九兵衛が所蔵する器 (写真手前) も。

器


刺身盛がこの魯山人の器で提供された時には、一体いくらぐらいになるのでしょうか。
庶民の僕には、まったく見当もつきませんでした (汗)


さてさて、北大路魯山人が美食家であって、
かつ自身で陶芸を制作していたということは知っていましたが。
まぁ、結局は趣味の範囲なのだろうと、あまり期待はしていませんでした。
しかし、改めて、魯山人の器を観てみると、なかなかに面白かったです。

器  北 


実は、魯山人は織部焼の人間国宝に指定されたことがあるほどの実力者だったのだとか。
(ただ、人間国宝に興味が無く、辞退したそうです)
写真手前の 《伊賀釉鮑形大鉢》 は、圧倒的な存在感がありました。

伊賀釉鮑形大鉢


魯山人の器を鑑賞していても、それなりに楽しめたのですが。
眺めれば眺めるほど、何か足りないような気がしてきました。

あっ、和食か!

もちろん、実物の器に和食を盛り付けるのが不可能であることは重々承知しているのですが。
「器は料理の着物」 であるならば、
せめて魯山人の器に和食を盛り付けた状態の写真パネルの一枚でもあれば・・・。
展示されている魯山人の器に、想像力で和食を盛り付けてみるのは難しかったです。
(会席料理と縁のない僕には・・・w)
星


ちなみに。
今回の展覧会には、画家や書家としても活動していた北大路魯山人の作品も展示されていました。

北大路魯山人  北大路魯山人


マルチな才能ぶりをいかんなく発揮しています。
生涯、美味しいものを食べれたのも納得です。




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