『愛のむきだし』 『ヒミズ』 などを手掛けた鬼才・園子温監督が、
本当に撮りたかったという、構想に25年をかけた最新作 『ひそひそ星』 が来月より上映されます。
その公開に合わせ、ワタリウム美術館では、
“園子温展「ひそひそ星」” が開催されています。
・・・・・と聞くと、単なる映画の番宣企画のような印象を受けますが。
決してそうではなく、れっきとした園子温さんによる美術展です。
映画監督・園子温が生み出したのが、映画 『ひそひそ星』 ならば、
アーティスト・園子温が生み出したのが、今回の “園子温展「ひそひそ星」” 。
いうなれば、同じ親から生まれた兄弟のようなものです。
例えば、映画 『ひそひそ星』 の実際の絵コンテを使い、
映画 『ひそひそ星』 のワンシーンに着想を得たインスタレーション作品が発表されていました。
また、例えば、園子温さんが90年代より、
たびたびモチーフにしている忠犬ハチ公に関する新作インスタレーション作品が発表されていました。
どちらのインスタレーション作品もメッセージ性が強く、心にスッと入ってくるものがあります。
とてもアーティストとしては新人の作品とは思えないほどでした。
(映画監督としてはもちろんキャリアが長いですが、アーティストとして活動を始めたのは去年の秋からとのこと)
特に強いインパクトがあったのが、
ワタリウム美術館の2階スペースをまるまる使ったインスタレーション作品です。
一面障子張りの空間が広がっています。
その障子の向こうから聞こえてくるのは、ひそひそ声。
ここは、この世なのかあの世なのか。
ワタリウム美術館でないことは確かです (※実際は、ワタリウム美術館にいるはずなのですが)。
しばらく佇んでいると、漠然とした不安感で心が満たされ、まるで足元が揺らぐような印象を受けました。
何かしらの映画の世界に飛び込んでしまったような不思議な感覚になるインスタレーション作品です。
この展覧会を観てから、映画を観るか。
それとも、映画を観てから、この展覧会を観るか。
ワタリウム美術館は、会期中何度でも入場できるパスポート制チケットなので、
この展覧会を観てから、映画を観て、それからまた、この展覧会を観ればいいですね。
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園子温展「ひそひそ星」
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