今回ご紹介する美術展は、渋谷区立松涛美術館で開催中の・・・
“ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール 塩川コレクション-魅惑の北欧アール・ヌーヴォー” 。
「ロイヤル コペンハーゲン?
どうせ、 『相棒』 の右京さんが使ってるようなお洒落なティーカップが展示されてるんでしょ??
そんな上品な美術展は、僕には合いませんがな」
と、正直、かなり高を括っていましたが。
いやいや。
色眼鏡で物事を見てはいけませんね。
蓋を開けてみれば、非常に僕好みの美術展でした。
こんな楽しい美術展をスルーしなくて良かったです。
僕のように、高を括ってる皆様、
騙されたと思って、足を運んでみてくださいませ。
ロイヤル コペンハーゲンは、言わずと知れたデンマークが誇る名窯。
お洒落でエレガントな磁器を作っているイメージがあります。
今回の美術展でも、
こちらのお上品な 《マーガレット文皿》 のような磁器も出展されていましたが。
今回の美術展では、むしろこの作風は例外。
《蛇花瓶》 に、
《トカゲ皿》 & 《トカゲ水盤》
取っ手が蝶になっている 《花文カップ&ソーサー》
・・・などなどなど、衝撃的な磁器のオンパレード。
19世紀末から20世紀初頭に制作されたアール・ヌーヴォー磁器の数々は、お世辞にも上品とは言えません (笑)
“こんなロイヤル コペンハーゲンもあったんだ!!”
と、目からウロコ。
例えるならば、
“デヴィ夫人って、意外とバラエティ番組では面白いじゃん!!
という感じです (←?)
他にも、まだまだ衝撃的ロイヤル コペンハーゲンが。
いくつかご紹介いたしましょう。
まずは、 《カタツムリ花瓶》
カタツムリの組み合わせが斬新すぎるwww
「その発想はなかったわ」 な逸品。
続いて、 《犬筆皿》
「・・・自分、何でこんなことになってんねん?」
そんな犬の心のつぶやきが聞こえてきそうです。
ちょっとPEZ (ペッツ) っぽい。
《犬筆皿》 の犬以上に、
テンションが下がっていたのが 《猿蓋物》 の猿。
完全に、いじけてます (笑)
「蓋の上に乗るんじゃなかった・・・」
と、ここまで、ロイヤル コペンハーゲンばかりを紹介してきましたが、
今回の美術展のもう一つの主役が、同じくデンマークのビング オー グレンダール。
かつては、ロイヤル コペンハーゲンと人気を二分していたほどの名窯なのだとか。
ビング オー グレンダールの磁器の特徴は、
ロイヤル コペンハーゲンよりも彫刻的なこと。
代表作の 《鷺センターピース》 は、
磁器というよりも、もはやオブジェ。
上品なようでもあり、下品なようでもあり、
どっちとも判別が付け難い不思議な磁器でした。
この他にも、 《睡蓮カップ&ソーサー》 や、
《一夜茸花瓶》 など、
“上品と悪趣味のあいだ” に位置するギリギリ目な磁器が多数紹介されていました。
中でも一番印象に残った衝撃作が、 《犬置物》
「なんだ、こりゃwww」
目が変にもほどがあります!
ブルマの裸を見てしまったヤムチャにそっくりです (『ドラゴンボール』 第1巻より)
あと、何となく坂本龍一教授にも似ています。
(ちなみに、この目の大きな犬は、アンデルセンの童話 『火打ち箱』 に出てくるのだとか。)
あまりに衝撃を受けまくったので、衝撃的な作品ばかりを紹介してしまいましたが。
もちろん素敵な作品も、ありましたので、それもご紹介しておきましょう。
純粋に色が綺麗で惹き込まれたのが、
ビング オー グレンダールの 《三色すみれ文花瓶》
そして、今回の一番お気に入り作品は、
ロイヤル コペンハーゲンの 《結晶釉白熊トレイ》
白クマ君が見つめる氷の海には、
当時の最先端を誇る結晶釉という釉薬技術が施されています。
氷の海に太陽の光が乱反射しているような表現は、もはや神業のレベル。
ロイヤル コペンハーゲンが世界の一流ブランドであることに、改めて実感させられました。
というわけで。
ロイヤル コペンハーゲンも、
ビング オー グレンダールも、スゴいのですが。
それよりもスゴいのは、
このコレクションを一人で集めたコレクターの塩川博義さんでしょう (笑)
塩川さん、結構な作品をたくさん見せてくださいまして、ありがとうございました。
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ロイヤル コペンハーゲン ビング オー グレンダール
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