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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画

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今回ご紹介するのは、 日伊国交樹立150周年記念 メディチ家の至宝-ルネサンスのジュエリーと名画”
東京都庭園美術館で7月5日まで開催されています。

こちらは、フィレンツェに300年に渡って君臨したメディチ家、
そんな華麗なる一族の肖像画約20点と彼らにまつわるジュエリー約60点を紹介する展覧会です。

メディチ家の至宝を、元・朝香宮邸であった東京都庭園美術館の空間で展示。
そう聞いた時点で、面白い展覧会であることは予想していましたが。

空間  空間
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


まさか、こんなにもオモロイ展覧会だったとは!!

いい意味で、予想を裏切られました。
今まで観てきたジュエリーの展覧会で、一番オモロかったかもしれません。
星星


もちろん、《ナクソス島のバッコスとアリアドネ》 のように、

《ナクソス島のバッコスとアリアドネ》  
古代ローマ工芸(カメオ) イタリアの金工家(フレーム)《ナクソス島のバッコスとアリアドネ》
3世紀(カメオ) 16世紀(フレーム) オニキス 金 1個の真珠 多色七宝 フィレンツェ 
国立考古学博物館蔵 © Firenze, Museo Archeologico Nazionale



思わず、ため息が漏れてしまうような精巧で美しいジュエリーも多々あったのですが。
《蜂に襲われる竜がついたペンダント》 や、

ドラ後  フランドルの金工家 《蜂に襲われる竜がついたペンダント》
1580年頃 金 多色七宝 1個のバロック真珠 2個のルビー
フィレンツェ ウフィツィ美術館(銀器博物館)蔵 ⓒ Firenze, Gallerie degli Uffizi, Museo degli Argenti



《鳥笛に乗った猿がついたペンダント》 のように、

さる  フランドルの金工家 《鳥笛に乗った猿がついたペンダント》
1580-90年頃 金 多色七宝 3個のダイヤモンド 24個のルビー 5個のエメラルド 4個の真珠
フィレンツェ ウフィツィ美術館(銀器博物館)蔵 ©Firenze, Gallerie degli Uffizi, Museo degli Argenti



思わず、「どうしてこうなった!」 とツッコミの声が漏れてしまうようなジュエリーも多々ありました。
どこか、キャリーぱみゅぱみゅの世界観に通ずるようなポップさがあります。
にも関わらず、使われている素材は、本物の金であったり、ルビーであったり、ダイヤモンドであったり。

“これだけ高価な素材が・・・なんかもったいないなぁ・・・”

そう感じてしまうのは、僕が庶民だからゆえです。

ちなみに、最も衝撃的だったジュエリーは、
トルコ石やダイヤモンド、金などをふんだんに使って作られた 《仮面》 のジュエリー。

仮面  フランスの金工家(フレーム) 《仮面》
17世紀第1四半期(フレーム) トルコ石、ダイヤモンド、金、鍍金された銀、七宝
フィレンツェ、ウフィツィ美術館(パラティーナ美術館) ©Firenze, Galleria degli Uffizi - galleria Palatina



もったいなっ (笑)!!

ソニプラあたりで、こんな外国のお菓子が売っている気がします。


さて、メディチ家のジュエリーの数々も必見ですが。
メディチ家にまつわる肖像画の数々も必見です。
まずは、何と言っても、ブロンズィーノ作の 《マリア・ディ・コジモ1世・デ・メディチの肖像》

ブロンズィーノ作  ブロンズィーノ 《マリア・ディ・コジモ1世・デ・メディチの肖像》
1551年 油彩/板  フィレンツェ ウフィツィ美術館蔵 ©A. Quattrone



こちらは、日本初公開となる肖像画。
どことなく、二階堂ふみを彷彿とさせる表情が印象的な一枚でした。


そして、「あれっ、iPhone持ってない?」 と、
話題沸騰中 (?) の 《ロレンツォ・イル・マニフィコの肖像》 も必見です。

メディチ


ちなみに、ロレンツォが持っているのはiPhoneではなく、
「私は偉大だ」「私はお金持ちだ」 的なことが書かれた紙片なのだとか。

何だ、そのアピール!


個人的に一番印象に残っている肖像画は、
《フランス王妃、マリア・デ・メディチ(マリー・ド・メディシス)の肖像》 です。

マリア  
フランス・プルビュス(子) 《フランス王妃、マリア・デ・メディチ(マリー・ド・メディシス)の肖像》
1611年 油彩、カンヴァス フィレンツェ、ウフィツィ美術館(パラティーナ美術館) ©Firenze, Gallerie degli Uffizi - Galleria Palatina



トータルで5000個以上の真珠を所有していたというマリア・デ・メディチ。
冠、耳飾り、首飾りだけでなく、衣装にもびっしり真珠が縫い付けられています。
なんとゴージャスな。
セレブでも庶民でも、フランスでも大阪でも、
女性はある程度の歳を重ねると、これくらいキツめのパーマを当てたくなるものなのでしょうか。



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