~前回までのあらすじ~
毎朝、鏡の中の自分に問いかけてきた。
「もしも今日が人生最後の日だとしたら、
今日ハントしようとしている国宝をハントしたいと思うだろうか?」 と。
NOと答える日が何日も続くようであれば、国宝ハンターをやめなければならないということだ。
幸か不幸か、そう答える日が何日も続かなかったため、国宝ハンターは5年目に突入。
前回までにハントした国宝の数は、817件。
818件目を目指し、姫路城を後にしたのであった。
姫路駅から西へ約80㎞。
阪急甲陽園駅という駅にやってきました。
Googleマップで調べるに、ここから歩いて約30分の場所に、目指す黒川古文化研究所はあるようです。
バスは本数が少なく、タクシーを使うという贅沢は出来ないため、ここは歩くしかありません。
「30分かぁ。まぁ、でも、頑張るか!」
5分後
「なんかキツいなぁ・・・。」
8分後
「いや、相当キツいなぁ・・・。」
10分後
「てか、ずっと上り坂じゃね?!」
「しかも、なんか怖ぇーし!!」
その後も続く、坂・坂・坂。
こんなに高いところにあるなんて、本当の研究所じゃーん (泣)
(↑『サンダーバード』 とかのイメージ)
当然、30分では到着せず。
登りっぱなしで40分。
黒川古文化研究所にヘロヘロの状態で到着しました。
ここが、どれだけ高いところにあるのか、
美術館のテラスからの眺めをご覧になれば、お分かり頂けることでしょう。
ともあれ、こちらの黒川古文化研究所で開催されていたのが、
“明清書画の清雅・名物刀剣の冴輝・慶長小判の誕生-黒川古文化研究所名品展-” 。
所有する2件の国宝のうちのひとつ、
《短刀〈朱銘貞宗(名物伏見貞宗)/本阿花押〉》 (ジャンル:工芸品) が公開されていました。
ということは!
あと、もう一回、この苦労が待っているのですね!!
ちなみに、なんでまた、こんな高いところに黒川古文化研究所を設立したのか。
その答えは、いただいたパンフレットの中に記載されていました。
「当初は兵庫県芦屋市打出春日町にありましたが、
昭和49年11月には、排気ガス等が文化財に与える影響を考慮し、
摂河泉の平野と大阪湾を一望のもとにおさめる閑静な現在地 (兵庫県西宮市苦楽園) に移りました。」
うぉーい!排気ガスって!!
もう少し別の方法で、排気ガスをシャットアウトできなかったものなのか。
そんな思いをグッとこらえ、この長い長い下り坂をくだり、兵庫から大阪へ。
大阪市立美術館で開催中の “王羲之から空海へ 日中の名筆 漢字とかなの競演” を鑑賞しました。
こちらは、なんと国宝が35件も出展されるという、
国宝ハンターにとっては、実に 「ヒャッハー!」 な展覧会です。
が、すでにほとんどハンティング済。
5年目の中堅国宝ハンター (←?) には、そこまで 「ヒャッハー!」 ではありません。
とは言え、《賢愚経残巻(大聖武)》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《金剛般若経開題残巻〈弘法大師筆/(三十八行)〉》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《伝教大師筆尺牘〈弘仁四年十一月廿五日/〉》 (ジャンル:古文書) の3件をゲット。
これにて、今回の国宝ハンティングの旅は終了。
後期にも未見の国宝が出展されるので、来月も大阪に行かねば。
ちなみに。
この旅に出発する前に、出光美術館の “美の祝典Ⅰ やまと絵の四季” にて、
10年ぶりに公開された 《紙本著色伴大納言絵詞》 (ジャンル:絵画) をゲットしています。
今現在の国宝ハンティング数 822/1097
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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第百二十話 国宝ハンター、へたばる!
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