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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第百二十話 国宝ハンター、へたばる!

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前回までのあらすじ~
 毎朝、鏡の中の自分に問いかけてきた。
 「もしも今日が人生最後の日だとしたら、
 今日ハントしようとしている国宝をハントしたいと思うだろうか?」
と。
 NOと答える日が何日も続くようであれば、国宝ハンターをやめなければならないということだ。
 
 幸か不幸か、そう答える日が何日も続かなかったため、国宝ハンターは5年目に突入。
 前回までにハントした国宝の数は、817件。
 818件目を目指し、姫路城を後にしたのであった。



姫路駅から西へ約80㎞。
阪急甲陽園駅という駅にやってきました。

甲陽園駅


Googleマップで調べるに、ここから歩いて約30分の場所に、目指す黒川古文化研究所はあるようです。
バスは本数が少なく、タクシーを使うという贅沢は出来ないため、ここは歩くしかありません。

「30分かぁ。まぁ、でも、頑張るか!」

時計5分後時計

「なんかキツいなぁ・・・。」


時計8分後時計

「いや、相当キツいなぁ・・・。」


時計10分後時計

「てか、ずっと上り坂じゃね?!」

坂


「しかも、なんか怖ぇーし!!」

ヘルメット


その後も続く、坂・

坂  坂


こんなに高いところにあるなんて、本当の研究所じゃーん (泣)
(↑『サンダーバード』 とかのイメージ)


当然、30分では到着せず。
登りっぱなしで40分。
黒川古文化研究所にヘロヘロの状態で到着しました。

黒川古文化研究所


ここが、どれだけ高いところにあるのか、
美術館のテラスからの眺めをご覧になれば、お分かり頂けることでしょう。

オーシャンビュー  オーシャンビュー


ともあれ、こちらの黒川古文化研究所で開催されていたのが、
“明清書画の清雅・名物刀剣の冴輝・慶長小判の誕生-黒川古文化研究所名品展-”

国宝


所有する2件の国宝のうちのひとつ、
《短刀〈朱銘貞宗(名物伏見貞宗)/本阿花押〉》 (ジャンル:工芸品) が公開されていました。

ということは!

あと、もう一回、この苦労が待っているのですね!!


ちなみに、なんでまた、こんな高いところに黒川古文化研究所を設立したのか。
その答えは、いただいたパンフレットの中に記載されていました。

「当初は兵庫県芦屋市打出春日町にありましたが、
 昭和49年11月には、排気ガス等が文化財に与える影響を考慮し、
 摂河泉の平野と大阪湾を一望のもとにおさめる閑静な現在地 (兵庫県西宮市苦楽園) に移りました。」


うぉーい!排気ガスって!!

もう少し別の方法で、排気ガスをシャットアウトできなかったものなのか。


そんな思いをグッとこらえ、この長い長い下り坂をくだり、兵庫から大阪へ。

大阪市立美術館


大阪市立美術館で開催中の “王羲之から空海へ 日中の名筆 漢字とかなの競演” を鑑賞しました。

王羲之


こちらは、なんと国宝が35件も出展されるという、
国宝ハンターにとっては、実に 「ヒャッハー!」 な展覧会です。

が、すでにほとんどハンティング済。
5年目の中堅国宝ハンター (←?) には、そこまで 「ヒャッハー!」 ではありません。

とは言え、《賢愚経残巻(大聖武)》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《金剛般若経開題残巻〈弘法大師筆/(三十八行)〉》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《伝教大師筆尺牘〈弘仁四年十一月廿五日/〉》 (ジャンル:古文書) の3件をゲット。
これにて、今回の国宝ハンティングの旅は終了。

後期にも未見の国宝が出展されるので、来月も大阪に行かねば。


ちなみに。
この旅に出発する前に、出光美術館の “美の祝典Ⅰ やまと絵の四季” にて、

伴大納言絵巻


10年ぶりに公開された 《紙本著色伴大納言絵詞》 (ジャンル:絵画) をゲットしています。


今現在の国宝ハンティング数 822/1097




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