西暦79年8月24日―
この日、イタリアのヴェスヴィオ山が大噴火を起こしました。
それにより、周辺の街・ポンペイは一昼夜にして、火山灰の下に埋没してしまったのです。
それから、およそ1700年後。
火山灰の下で眠り続けていたポンペイに、再びスポットライトが当たる時が!
本格的に発掘作業が行われ、古代ローマの生活を伝える出土品が多数発見されたのです。
まさに、“奇跡の街” として復活したポンペイ。
そんなポンペイで発掘された壁画に焦点を当てた展覧会、
“日伊国交樹立150周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展” が森アーツセンターギャラリーで始まりました。
会期は、7月3日まで。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
この春、東京都美術館では “若冲展” が、
国立西洋美術館では、“カラヴァッジョ展” が、
そして、国立新美術館では、“ルノワール展” がそれぞれ開催されており、
それら大型展覧会の存在に埋もれてしまった感のある “ポンペイの壁画展” ですが。(←ポンペイだけに)
実は、スゴい展覧会なのです!
出展されている壁画は、全部で約80点!
もちろん本物です!!
ここにある壁画すべてが、イタリアから海を渡って運ばれてきたわけです。
なんと奇跡的な展覧会なのでしょうか。
さらに、発掘者たちが、「まるでラファエロの作品のようだ!」 と絶賛したと言われる、
ポンペイ壁画の傑作 《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》 が、初来日を果たしています。
《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》
後1世紀 ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo
この作品がイタリア国外に持ち出されるのは、
1739年に発見されて以来、なんと今回が2回目とのこと。
しかも、本場ナポリでも、めったに展示されないのだとか。
超超超貴重な機会です。
これは絶対に見逃せません!
展覧会に行くまでは、なんとなく考古学系の展覧会をイメージしていたのですが。
《赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス》 を筆頭に、
アート作品としてのレベルが高い壁画が多く、普通に美術展として楽しめました。
《踊るマイナス》
後1世紀 ナポリ国立考古学博物館蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo
個人的には、《踊るマイナス》 という小ぶりの壁画がお気に入りです。
壁画なのに、物理的な重さを感じさせない、ふわっとした印象の作品でした。
布の表現に特に惹かれました。
また、《赤い建築を描いた壁面装飾》 も印象的な一枚 (・・・という数え方でいいのか悩みますが)
《赤い建築を描いた壁面装飾》
前1世紀 ポンペイ監督局蔵 ©ARCHIVIO DELL’ARTE - Luciano Pedicini / fotografo
少し誇張気味の遠近法から、思わずプロジェクションマッピングを連想してしまいました。
今にも動きそうな気がしてなりません。
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日伊国交樹立150周年記念 世界遺産 ポンペイの壁画展
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