日本で唯一の広告のミュージアムであるアド・ミュージアム東京で、
現在開催されているのが、“世界を幸せにする広告 ―GOOD Ideas for GOOD―” 。
こちらは、ここ最近の広告界の重要なキーワードとなっている・・・
「for GOOD」 (=いいことのために)
をテーマにした展覧会です。
これまでは、“商品やサービスを売る、多くの人に知ってもらう” ための広告が主流でした。
しかし、ここ数年は、“社会課題を提言する、解決する” ための広告も増えているのだそうです。
確かに、言われてみれば、ここ最近、そういう広告が、
多くの人の共感を呼び、TwitterやFacebookであっという間に拡散され、
結果として、企業やブランドのイメージがアップしているような印象があります。
今回の展覧会では、2010年以降に制作された、そんな 「for GOOD」 な広告の中から、
選りすぐりの約70点を、「環境」 「教育/ヒューマニティ」 「人権」 など7つのカテゴリーに分けて紹介。
すべての作品をモニターやiPadで閲覧することが可能になっています。
ちなみに、全体的に日本の作品は少なかったのですが、「東北」 というカテゴリーが設けられていました。
なるほど。
まさに、「広告は時代を映す鏡」 ですね。
また、特に見逃せない広告は、
このようにシアター形式で上映されていました。
時間に余裕が無い方は、こちらをサクッとご利用くださいませ。
(紹介されている全作品を観るとなると、2時間ほどかかるそうです)
個人的に最も印象に残った広告は、
気候変動問題に取り組むアメリカのNPO団体・350アクションによるプロモーション活動です。
近年、世界的な気候変動が原因で、台風やハリケーンの被害が増加しています。
しかし、気候変動を認めない政治家がアメリカには少なくありません。
そこで350アクションは、「カトリーナ」 や 「サンディー」 といった、
無作為で選ばれた人名が、ハリケーンにつけられる慣習に目をつけました。
ハリケーンに、“気候変動説に反対の声をあげる政治家の名前” をつけてしまえばいいのではないかと。
例えば、Yoichi Masuzoeという政治家が、気候変動説に反対していたとします。(あくまで、例えば!)
そこで、ハリケーンにYoichi Masuzoeの名を付けます。
すると、ニュースなどでハリケーンについての報道がなされる時に、
『Yoichi Masuzoeが猛威をふるっています』 とか、『Yoichi Masuzoeから避難して下さい』 とか、
反対派の政治家の名前が連呼されるわけです。
日本では絶対に許されないであろうキャンペーンですが (笑)
ブラックジョークがピリリと効いています。
日本には、このような 「for GOOD」 の広告が、まだまだ根付いていないとのこと。
この展覧会が、きっかけになって一人でも多くの日本人に広まることを願います。
この展覧会そのものが、「for GOOD」 です。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
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世界を幸せにする広告 ―GOOD Ideas for GOOD―
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