今年は、例年よりも開花が遅かった桜。
関東の桜は、先週末の雨で、すっかり散ってしまいました。
“あ~ぁ、今年は、お花見しなかったなァ・・・”
という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ご安心を!
都内には、まだまだ桜満開中のお花見スポットがあるのです。
それは、広尾にある山種美術館。
“あれっ?山種美術館に、お庭ってあったっけ?桜咲いてた??”
いえいえ。
桜が満開なのは、山種美術館の中。
奥村土牛の 《醍醐》 や、
加山又造の 《夜桜》 に、
速水御舟の 《夜桜》
東山魁夷の 《春静》
・・・などなどなど。
桜が描かれた名画ばかりが集められた “桜・さくら・SAKURA 2012” という美術展が開催中なのです。
会期は、5月20日まで。
あと1ヶ月は、お花見が楽しめますね
ちなみに。
この桜をテーマにした美術展は、
山種美術館が千鳥ヶ淵の近くに位置していた2009年までは、毎年春の恒例イベントとなっていましたが。
(2009年の模様は、こちら)
広尾に移転したとともに、終了。
しかし、多くの方から、
「今年も桜がみた~い!」
というリクエストが多数寄せられたために、今回、満を持して復活したのだそうです。
・・・で、せっかくお客様想いで、
ラブコールに応えてくれた山種美術館さんには、大変申し訳ないのですが。
僕個人の意見としては、来年からは、恒例にしなくていいかと思います (笑)
と言いますのも。
桜をテーマにした美術展の代わりに (?) 、
昨年、山種美術館で開催された “百花繚乱―桜・牡丹・菊・椿―” と比べてしまうと・・・う~ん。。。
普通に考えて、
『桜だけの美術展 < 桜も牡丹も菊も椿も、いろんな花が楽しめる美術展』
だと思うんですよね。
“百花繚乱―桜・牡丹・菊・椿―” が良かっただけに、
桜オンリーの “桜・さくら・SAKURA 2012” のスケールダウン感は、否めませんでした。
1分咲き…ならぬ、1つ星。
とは言え、一口に桜と云っても、
いろんな桜の表情が楽しめたことは確かです。
作品そのものは、もちろん名品揃い。
印象的だった桜をいくつか挙げますと・・・
・横山大観 《山桜》
可憐な花よりも、野性味溢れる幹の方に目がいってしまいます。
・橋本明治 《朝陽桜》
橋本明治独特のスタイルである太線で描かれているため、ずいぶんとぼってりとした桜でした。
この桜の桜吹雪は、きっとうざったい (笑)
・小林古径 《弥勒》
タイトルからもわかるように、明らかに桜がメインではない一枚。
しかし、ここはどこなのでしょう?日本??
桜があるから、日本なのでしょう。
ともあれ、桜の描かれた絵の多いことに、
“日本人って、つくづく桜が好きなんだなぁ” と実感する美術展でした。
それとともに、桜の絵に関して、あれこれ想う自分に、ふと気づいて、
“自分は、つくづく日本人なんだなぁ” と、自分の中の日本人DNAを実感する美術展でもありました。
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桜・さくら・SAKURA 2012
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