現在、千葉市美術館では、
“ふたつの柱 -江戸絵画/現代美術をめぐる” と題したコレクション展が開催されています。
千葉市美術館のコレクションのまさに 「ふたつの柱」 というべき、
江戸絵画コレクションと現代美術コレクション、その両方が紹介されています。
といっても、こっちは江戸絵画コレクションを紹介するゾーン、
そして、あっちは現代美術コレクションを紹介するゾーンというように、分けられているのではなく。
江戸絵画も現代美術作品も、同じ空間で垣根なく展示されていました。
江戸と現代。
普通に考えると、合わないような気がしますが。
そこは千葉市美術館の腕の見せ所、
江戸絵画と現代美術作品とが、時空を超えて、不思議な調和を果たしていました。
例えば、桑山忠明さんのシンプルでスタイリッシュな作品群が展示されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
そして、その向かい側に展示されていたのが、雲谷等益の 《山水図》。
その展示ケースに、ちょうど桑山忠明作品が映り込んで、
あたかも銀色に輝く満月が、山水の景色に浮かんでいるかのように。
普段は、展示ケースに向かいの景色が映り込んでしまうと、テンションがややダウンしますが。
今回ばかりは、「展示ケースに映り込んでくれて、ありがとう!」 という感じでした。
また、今回一番印象に残っているのが、
ダン・グレアムの 《円形の入口のある三角柱 (ヴァリエーションE)》 と、
リチャード・ロングの 《水石の輪》 が中央にドーンと位置する展示空間での体験です。
この2点の現代美術作品のインパクトに引っ張られてしまったからでしょう。
同じ空間に展示されていた円山応挙の 《富士三保図屏風》 が、
一瞬、江戸時代の絵画作品とは思えず (富士山とも思えず)、
アメリカやドイツあたりの現代アーティストの抽象的なドローイング作品かと思ってしまいました。
と、このように。
江戸絵画と現代美術がコラボすることで生まれた新鮮な鑑賞体験は、他にもまだまだありました。
また、展示室内に用意された鑑賞キットを使えば、さらに新しい鑑賞体験も!
コレクション展ではありますが、いろんな発見のある展覧会でした。
ただ一つ残念なのは、この展覧会ならではの面白さは、
“ふたつの柱 -江戸絵画/現代美術をめぐる” というタイトルでは、
あんまり伝わらないだろうなぁということ (笑)
何か他に、もっとしっくりくるタイトルがあるような気がします。
・・・とは言え、僕も、これぞというタイトルは、パッとは思いつきませんがf^^;
ちなみに。
今回の展覧会で、個人的にツボだった江戸絵画コレクションは、鍬形蕙斎の 「人物略画式」。
LINEスタンプにしか見えません (笑)
千葉市美術館で、オリジナルLINEスタンプを作ったらいいのに。
また、個人的にツボだった現代絵画コレクションは、岡崎乾二郎さんの作品群。
どの作品もタイトルが、引くほど長いのです。
《ずっと上の斜面に一つの光を発見し、大声で叫んだ。ここに来れてうれしいです、こんちわ。
ほんの少しまえにできたばかりの曲、これを弾きます。》
だとか、
《木の根元に小さな動物がいて蜜に夢中になっていた旅人のいる大樹を齧りつづけている。
大樹はやがて谷底に転げおち、旅人はあえなく生を終えることになっている。》
だとか、
《ようやくわかってきた。みんなもうそろっている。
他の人たちは雪崩より上にとどまることができたということが、呼びかけてみてわかった。
普通の人たちはそんな決定的な場面に出会うってことはほとんどなく
もっと静かで小さな場面にだけ向かい合う。もちろん僕たちみんなも同じだよ。》
だとか。。。
B'zの 『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』 が、とても短いタイトルのように感じます。
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ふたつの柱 −江戸絵画/現代美術をめぐる
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