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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影

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2018年度限りでの閉館が決定してしまったばかりの名古屋ボストン美術館に行ってきました。

名古屋


現在、開催されているのは、“ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影” という展覧会。
ボストン美術館が所蔵する 「ルノワールが生きた時代」 の名作を一挙公開する展覧会です。

ルノワールと言えば、東京の国立新美術館で、
“オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展” が開催中です。
目玉は、もちろん初来日を果たしている 《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》 ですが。
45年ぶりに揃って来日した 《田舎のダンス》《都会のダンス》 の競演も話題となっています。

・・・と、実は、ルノワールによるダンス作品は、もう1点存在しています。
それが、ボストン美術館が所蔵する 《ブージヴァルのダンス》
水辺の観光地・ブージヴァルを舞台にした作品です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ブージヴァルのダンス


この作品が、なんと “ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影” に出展中!
つまり、ルノワールの 「ダンス3部作」 は、今すべて日本に揃っているのです。
まさにミラクル!!

東京と名古屋。
距離はありますが、フランス―アメリカ間と比べたら、圧倒的に近いです。
この機会に、「ダンス3部作」 をコンプリートしてみてはいかがでしょうか?

ちなみに。
《ブージヴァルのダンス》 を観た感想ですが。
華やかさで言えば、《田舎のダンス》《都会のダンス》 よりも、抜きんでていました。
ただ、ダンスする2人の足元に注目すると、たばこの吸い殻が何本も・・・。
マナー、悪っ!


さてさて、《ブージヴァルのダンス》 以外にも、ドガの 《田舎の競馬》 に、

ドガ《田舎の競馬》


ゴッホの 《機を織る人》 に、

機を織る人


個人的には、《印象、日の出》 と同じくらいの感動を受けたモネの 《チャリングクロス橋(曇りの日)、1900年》 に。

チャリングクロス橋


例を挙げればキリがないほどに、ボストン美術館から名作の数々が来日していました。
ぶっちゃけ、ここまでルノワール以外の作品が充実しているとは、予想だにしていませんでした!


・・・・・が、しかし。
それ以上に、予想だにしていなかった事態が。

ルノワールの時代 近代ヨーロッパの光と影” という展覧会タイトルにも関わらず。
肝心のルノワール作品は、《ブージヴァルのダンス》 を含めて、4点しかありませんでした。
うち2点は、ボストン美術館以外からの特別出展。
ちなみに、ボストン美術館からのもう1つの出展作品は、《ガンジー島の海辺の子どもたち》 でした。

《ガンジー島の海辺の子どもたち》


僕は、そこまでルノワールのファンでないので、
「あれ?ルノワール少ないんだ。」 と戸惑うくらいで済みましたが。
ルノワールファンなら、この上げ底感 (?) には、ガッカリしてしまうはず。

作品全体の質は、とても高かったので、特にルノワールの名前は出さず、
シンプルに、“ボストン美術館所蔵 西洋美術傑作展” というタイトルとかで良かったのでは?
星星


最後に、今回の特にお気に入り作品を。
オノレ・ドーミエによる風刺画です。
タイトルが秀逸でした。

栗野倫


《冬の歳時記 第1図 雪空のクリノリン・スカート 「お嬢さん、お払いしましょうか?」》
風刺がきいてますね。座布団1枚あげたいです。




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